sarahA

ファン・ジニのsarahAのレビュー・感想・評価

ファン・ジニ(2006年製作のドラマ)
3.7
ファンジニは、中宗の治世中に松都(現在の開城)で活躍した李氏朝鮮で最も有名な妓生。妓名は明月(명월ミョンウォル)。韓国の小説家の金琸桓の小説「私、黄真伊」をドラマ化したもの。

史実エピソード
15歳の時に街のとある青年がファンジニを見て一目惚れをして想いわずらいに陥り、縁談を望みましたが上手く伝わらず結局そのせいで亡くなってしまいました。お葬式に向かう途中、棺が彼女の家の前を通った途端止まってしまいビクともせず、彼女の知る事となりました。経緯を知ったファンジニが出て来て棺を撫でて慰めると(或いはチマ:スカートを架けたとも)スーッと動き出したとの事です。
この事件の後、自分が普通の女性として生きる事が難しいと悟った彼女は妓生キーセンの道を選んだ。

ファンジニは亡くなる前に
「私が死んだら松都の砂畑に投げ捨ててカラスの餌にして放蕩女性の戒めとして欲しい」との遺言を残した(ドラマには出ない)。

https://ameblo.jp/ichigayasongho/entry-12620044030.html

は『妓房五不キバンオブル』と言う、妓房でしてはいけない5つの事が有りました。
1)妓生の約束を信じてはならない
2)文字を詠んで自慢してはならない
3)花をプレゼントしてはならない
4)自己の妻を自慢してはならない
5)家門の烈女(国で表彰される女性)を自慢してはならない

https://ameblo.jp/ichigayasongho/entry-12691321174.html

王族の碧渓守【ピョクケス】を誘惑してからかったという話は、
徐有英【ソユヨン】の『錦渓筆談【クムゲピルダム】』に伝えられているそうです。
その時、黄真伊が詠んだという時調がこれです。(Webより抜粋)


황진이 「청산리벽계수」

靑山裡碧溪水
莫誇易移去:
청산리 벽계수야 수이 감을 자랑 마라
一到滄海 不復還 : 일도창해(一到滄海)하면 다시 오기가 어려우니
明月滿空山暫休且去若何 : 명월이 만공산(滿空山)하니 쉬어간들

靑山裏碧溪水
靑山裏碧溪水
莫誇易移去
一到滄海不復還
明月滿空山
暫休且去奈何

ファン・ジニ「青山裡碧溪水」

青い山奥を流れる清い小川よ
早く流れて行けると自慢しないでください
一度青い海に着いたら、二度とこちには戻って来れないですので
明るい月が山を照らす今夜、一時休んで旅立つのもいいじゃないですか。

 *碧渓守と碧渓水は同音
 *明月【ミョンウォル】は黄真伊の妓名
この歌を聞いた碧渓守が思わず振り返った拍子に落馬すると、黄真伊は笑いながら、
「この人は名士ではなく、ただの好き者だ」と言って帰ってしまったそうです。

ファン・ジ二と碧渓守とのエピソードは徐有英(1801~1874)の錦渓筆談に伝えられています。この詩歌は王様の親族である碧渓守(ビョク・ゲス)と発音が同じな「碧渓水」の単語とファン・ジニの芸者名である「明月」を組みこんだメタファーで碧渓守を誘惑するために詠じた詩です。

http://www.love-seoul.com/log/eid103.html

https://xn--l8j1bc5qvlge4cz712b6zstma1280c.blogspot.com/2018/01/Hwang-Jini.html?m=1


「朴淵瀑布」

一派長川噴壑礱
龍湫百仞水潨潨
飛泉倒瀉疑銀漢
怒瀑橫垂宛白虹
雹亂霆馳彌洞府
珠舂玉碎徹晴空
遊人莫道廬山勝
須識天磨冠海東


岩間を走る水柱
滝壺深くどうどうと
天に昇れば銀河のごとく
空に渡れば白虹のごとし
雹(ひょう)を降らせ、雷を落とし
玉と砕けて宙に散る
旅人よ廬山(ろざん)を謳うなかれ
海東(かいとう)に天磨(チョンマ)あり

早川文庫『ファン・ジニ』(1)p144収録


相思夢

 相思相見只憑夢    
 儂訪歡時歡訪儂   
 願使遙遙他夜夢
 一時同作路中逢

 会いたいあなた、夢でしか会えないのに
 わたしがそちらへ行ったら、あなたはこちら
 どうかお願い、こんど夢をみるときは
 いっしょに家を出て、道の途中で会いましょう

早川文庫『ファン・ジニ』(2)p165収録

身分違いの結ばれぬ恋
コムンゴ ファダム先生


江陵(カンヌン)の「船橋荘(ソンギョジャン)」は当時から「ファン・ジニ」のロケ地として知られていて、同じく江陵にある「師任堂(サイムダン)色の日記」のロケ地となった「烏竹軒(オジュッコン)」とともにソウルから1日現地ツアーもあります。

https://4travel.jp/travelogue/11202427
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