daiyuuki

ノーサイド・ゲームのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

ノーサイド・ゲーム(2019年製作のドラマ)
4.6
大手自動車メーカー「トキワ自動車」の中堅サラリーマン・君嶋隼人(大泉洋)。君嶋は出世レースの先頭に立ち幹部候補とまで言われていたが、上司が主導する企業買収に異を唱えた結果、左遷人事で府中工場に総務部長として赴任することに。意に染まない異動だが、これもサラリーマンの宿命。やるせない思いで赴任先の工場に赴いたところ、トキワ自動車ラグビーチーム「アストロズ」のゼネラルマネージャーを兼務するよう命じられる。かつては強豪チームだったアストロズだが、いまは成績不振にあえいでいた。こうして知識も経験もない君嶋にチーム再建という重荷が課せられた。低迷するラグビー部と出世の道を絶たれた君嶋の、再起をかけた戦いが始まる。
池井戸潤の書き下ろし小説をドラマ化。
池井戸潤作品でスポーツが絡んでる作品では「陸王」「ルーズベルト・ゲーム」があるけど、「ルーズベルト・ゲーム」の「崖っぷちチームの立て直しと再起」の要素を濃縮した感じのストーリーに既視感はあるけど、さらに「崖っぷちチームが地元に応援してもらえるように地域貢献したり、ファンクラブや少年ラグビークラブを作り、ファン層を広げる」などチームマネジメントに企業の営業努力のノウハウを取り入れたり、IT技術をトレーニングに取り入れたりなど新しい切り口がある。
最初はラグビーが大嫌いだった君嶋が、ラグビーのジェネラルマネージャーとしてラグビーというゲームを知る中で、成長していくストーリーは、池井戸潤作品では珍しいので新鮮だった。
迫力満点のラグビーのシーンは、毎回ハラハラさせられた。
だが企業買収にまつわる不正を暴いて主人公がリベンジを果たす展開は、既視感がありあまりサスペンスが薄かった。
池井戸潤作品の限界が見えてきたが面白かった。
池井戸潤ヒーローが似合う大泉洋、ツンデレな奥さんの松たか子、アストロズのメンバー、グレーなキーパーソンを演じる上川隆也の重厚な演技と迫力満点のラグビーシーンが、見応えあるスポ根ドラマ。
daiyuuki

daiyuuki