とぽとぽ

After Life/アフター・ライフ シーズン2のとぽとぽのレビュー・感想・評価

4.0
人生は続く --- この先どれほどの(出会いと)別れがあるのだろう。その人があなたかにとって身近な人やかけがえのない大切な人であればあるほど、きっとその喪失感は消え去ることはない。本作はそれを肯定した上で、それでもどうにか希望を見出し、前を向いてまた歩き始めようとする人の背中をそっと押すよう。何よりそれら一元的ではない複雑な面を体現するリッキー・ジャーヴェイスの年齢を重ねたからこその新境地な名演。だからこそ脚本的に見れば、脇の登場人物の多さや、あるいはその役割分担が定石通りな気がしてもやはり愛してしまう、愛さずにはいられない。また正直、一部の心冷めた人や見方によってはこの主人公は些かメソメソ引きずりすぎだなんて失礼なことを思うかもしれないし、そうは思わなくても例えば僕にとっては本作のコメディ/ドラマの相互関係スイッチする瞬間が時に急すぎる気がしてしまったきらいはある。故に感情の波を巧みにはなぞるけど、『恋はデジャ・ブ』ほど深い部分にはリーチしていないかもしれない。が、それでも本作は紛れもなくリアルな感情に寄り添っているし、素晴らしい。これらが教えてくれることは、やっぱり人間とは様々な面で相反する一見矛盾した感情や葛藤に苛まれるものだけど、それでもいい、それに飲み込まれ押し潰され消え入ることさえなければ。そう、人生は続くのだから。前シーズンにおける同僚キャラのケヴィン・ハート愛のように本シーズンでは事あるごとに『恋はデジャ・ブ』がキーになる。
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