よし

After Life/アフター・ライフ​のよしのレビュー・感想・評価

After Life/アフター・ライフ​(2019年製作のドラマ)
4.0
言いたいこと言って生きる、それが正しいことで誰かのためになったら気分がいい。世界は変えられないけど自分は変えられる、だから希望がすべて、人生には価値がある。そう思えて一歩踏み出すまでの捻くれた日々。例えばジョークもドギツすぎると"笑えない"、その曖昧な線引き。これは人生の変遷を踏まえてのリッキー・ジャーヴェイスの一種の集大成じゃないか。役者としても脚本家監督としても、何より人としてより成熟して様々なものの見方をできるようになって、次なる段階へ進んだ気さえする、そんな野暮なこと考えてしまうくらい本作は作品の質それ自体よりも純粋に見ていて刺さるものがあったし、確かに勇気づけられるものがあった。本作の主人公みたいに立ち直れないほど大きな傷や終わることのない苦痛を受け、自殺さえ考えてしまう人がいたとして、その中でもあなたがジョーク皮肉を自分が傷つかない、また他人を傷つけないための予防線のように日常的に使ってしまう人だとしたら、本作はきっと掛け替えのないものになるはず。そのような主人公は最初は絶望していて何事にも悲観的で斜に構えているけど、そこですら英国らしい皮肉全開で影のあるユーモアで作品を光らせてくれるから。アカデミー賞授賞式でのトム・ハンクスはじめ多くのスター含む出席者たちを困らせたスピーチも記憶に新しい『The Office』のリッキー・ジャーヴェイスがやってくれた。もっと前から見ておけば良かった。

意に反して動くのに疲れただけだ