AOI

エールのAOIのレビュー・感想・評価

エール(2020年製作のドラマ)
-
3人の脚本家による合作。回ごとに雰囲気どころか登場人物のキャラまでもが違うのはいかがなものか…と思った。役者はモチベーション維持が大変だっただろうな、芝居の風合いから窪田さんは途中もう諦めてたんじゃなかろうか、とか思ってしまった。
登場人物個人個人が過去から現在にかけて大切にしてきた思いだとか回想シーンだとかが、脚本リレーの弊害か、あまり出てこなかったことを残念に思う。そのせいで全登場人物がその場凌ぎの薄っぺらい人たちのように見えてしまった。
ストーリーのペース配分もいかがなものかと思った。三羽烏、戦後は時々会ってお互いの近況を把握してない風の会話をする程度で、親密な友情が見えてこない割には、久志の復帰に尺取りすぎじゃなかったかしら。戦後の名作で今でも語り継がれているものは沢山あるので、そっちの話を聞きたかったなあ。
古関裕而本人の伝記ドラマとして観るには史実とあまりにも異なるものであったらしい。他所で補完が必要であったことは創作物である以上百歩譲って仕方ないとしても、古関裕而本人や縁のある方々に失礼な描写がなかったとは言い切れない点が残念である。
1週目はとても好きだった。運動会の徒競走のシーンとか。戦前の嶋田うれ葉さん脚本の箇所も。
これらの良さが忘れられずに、これらみたいなのが再び観れないかと期待しつつ結局一年観続けたので、うーん素直に褒めたかったなあ……
とはいえ、脚本家の降板、キャストの死去、撮影の中断など、製作サイドは本当に大変だったと思います。最終話までよくぞ続けてくれました。お疲れ様でした。
AOI

AOI