非常にいいヒューマンドラマだった。すごく静かなドラマで音が少なく暗めのトーンで地味な物語なのにとても温かくおもしろかった。話ごとに大きな進展があるわけでもないのに毎話1時間以上ある時間が長く感じない、そしておもしろい。16話続くなか物語が間延びしておらず全製作者と出演した全俳優の技量に感銘を受けた。
ヒューマンドラマであり会話劇のようだった。
口数の少ない主人公ふたりが発する言葉たちはどこまでも真摯で飾りがなくて根が優しくてときには鋭く温かい。ふたりの言葉が何度も何度も琴線に触れる。
恋愛でもなく家族でもなく そんな二人がお互いに感化されながら生きることに生きていくことに幸せを感じる過程がとてもよかった。
ジアンの見せる表情が増えると同時にドンフンの表情も増し最終話久しぶりに顔を合わせたふたりが笑顔で会話を交わすシーンはたまらなく愛おしかった。
ジアンが涙を流すたびにわたしも泣き、彼女が笑顔を見せるたびに号泣した。
恋愛でもない家族でもないジアンに捧ぐドンフンの非常に寛大な愛情を見るたびに嗚咽した。
ひとを深く悲しませるのもひとだけど ひとを大きく救うのもひとなんだなと強く思う作品だった。
長男の貯めてきた貯金をジアンの祖母のお葬式で使う伏線の回収も秀逸だった。1話目をみたときはなんてクズな兄弟なんだ....と思っていたが次第に愛おしくなった。葬式場の前でもサッカーをするサッカー会のおじさんたちも最高にすきだ。
鑑賞前はサブタイトルが〜私のおじさん〜だしメイン写真のドンフンとジアンは満面の笑みだし若い女の子とパトロンおじさんとのラブコメディだと思っていた（笑）
ほんとうに見てよかった。濃密ですてきなすてきなドラマでした。人生は誰と出会わないか、そして誰と出会うか なんだな。人間には自然治癒力があるからきっと大丈夫。
