リタ

火花のリタのネタバレレビュー・内容・結末

火花(2016年製作のドラマ)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

こんなに泣かされたことは他にないわ
頭割れそうになるほど。

後半地獄過ぎて見ていられない。
けど終始笑える描写もあるし励まされるところもある。

静かなドラマなのに
感情振り切れるくらい引き出された。

今まで見たドラマの中でも最高峰。



このドラマがNetflixで公開された時、
まだ日本のオリジナルコンテンツは
アンダーウェアとテラハくらいで

せっかくだし見てみようくらいの気持ちで見た
こんなに良いドラマに出会えて幸運だったな


見知った気のする道、家、店と
俳優達の繊細な演技が、
贅沢な長回しを通して更に現実感を帯びて

彼等の10年間を1番近くで見ているような。
彼等がほんとにそこに生きてるような気がした。


7話からスピード感増して、
8話以降はずっと、泣きながら見続けて、
最終話は涙で画面見えないので
何回も止めながら見た、笑

ラストの展開まで見ればきっと、
この小説が純文学の最高賞をとった理由が判る。


見返してみると一話から既に泣けてくる。
淡々としているようで
10話のドラマの中に無駄なシーンはない。
名シーンも数え切れない。

特に林遣都の奇跡のような演技!
怖いくらい。天才。


なんかもう、まとまんないけど今ではもう
斉藤和義のあの曲聞くだけでブワーッと泣く。
黒猫チェルシーの人の
君の白い手を〜って歌ってる曲もすごく好き。
英語詞の曲も好き、
ちょっとルーリードを感じる。


売れない芸人、売れないバンドマン、売れない俳優。
年取ってから売れる人もいるからな。
いつか自分の番が来るんじゃないかって
諦めきれず長い年月を費やしてしまう。


堅気の仕事に戻ったら
捧げた時間ってどこに行っちゃうんだろ。

でもその答えすらも神谷さんが持ってた。
信じた通りだった。

なのにラストの神谷さんの姿。



最初見たときは、神谷さんに魅力を特に感じなかった。
「普通のことを普通の顔で」言うシーンの顔が
全然普通じゃなくて違和感覚えたり、
評価されるネタを継続してかけないのは
面白い、を履き違えてるんじゃないかとか、
言ってること深いようで無責任で
強がって、徳永を傷付けるようなことを言ったり。

私は徳永以外の、神谷さんを評価しない大多数と
同じ側の人間なのかもと思いながら見てた。
「客に媚びない笑い」って、そんなに偉いのか?って。

なのに、見返すうち、
ある時から神谷さんが要所要所で輝いて見えるように。、

徳永がキラキラした目で見つめている時の神谷さんは
いつも、かっこいい。
徳永と一緒に、神谷さんを神格化し始めた。

そうなってくるともう、
ラストの土下座が堪え難い地獄絵図。

「だって恋は、盲目だから」
あー、いつの間に恋してたんだ!
中身のない人だって最初は分かってたのに!
って、クラクラした。

この絶妙な神谷さん像、すごい。


何回も見直してると毎度感じ方が変わるし
細かい演出に気付いて鳥肌が立ったりする。


見る度に良い。生き物のように良くなる。

味わい深い。


このドラマ見てからと言うもの、
芸人の苦労話聞くと泣いちゃう。笑
リタ

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