ぺこまと

火花のぺこまとのレビュー・感想・評価

火花(2016年製作のドラマ)
4.7
見始めた時、ちょっと退屈だなと正直思った。
レビュースコアに反しては飾り気がなくて何か物足りない、横長く淡々と進んでいく物語だと。
でも全く違った。
これは徳永の生きた証であって、神谷との師弟関係であって、スパークスのドキュメンタリーでもあって、そして私とその他大勢の人たちの物語だ。
私はお笑い芸人でもないし、徳永よりも全然若いし、人生そこまで窮地に立たされたことはまだない。それでも自然と徳永の生き様に自分を重ねていた。一話一話、一つ一つのエピソードが丁寧に紡がれているからこそ、最終話街を振り返る場面では、どこか懐かしい気持ちがした。

純粋に生き続けることは難しい。時に残酷だ。
世間はいつだって要領がいい人を称賛するし、時にはずる賢くなきゃ上手くは生きていけないかもしれない。私もきっと生きてきた中で、そういった「上手に」生きる術を知らず知らず身につけてきた。
でも、真っ直ぐ純粋に生きることは美しい。
バカでアホなくらいに、ただただ真っ直ぐに生きる事はとても難しくてとても美しいのだ。
そのことに気づかせてくれたこのドラマに感謝。



(原作からだけど、どうしても最終話最後の神谷さんのエピソードが消化しきれずにいる。もちろんこの物語の中心は徳永と神谷さんとの関係なのはわかってるけど.....でも綺麗に終わらないからこそこのドラマの本質が活かされるのかな)