放送当時、観よう観ようと思いながら見逃し、結局今になってしまった。
先に断言しますけど傑作です、これ。
桜井ユキ演じるOLがひょんなことからアイドル沼に堕ちていき、推しのアイドルとのあれやこれや、そしてヲタ友との交流を通した大人の青春ストーリーという面がひとつ。そんな主人公が冒頭から取り調べを受けていて、取り調べが行われてる日を現在として、アイドルにハマっていく姿を回想する形で描かれているというサスペンス要素もあるのがひとつ。あとは「推し、燃ゆ」「推し武道」「あの頃。」にも共通するのかと思うが、『推し』という概念に真摯に向き合ったものであること。以上3つの要素が抜群の脚本力で描かれている。
主演桜井ユキの役者としての表情の豊かさもさることながら、そんな主人公の推しのアイドルとなる白石聖の透明感もさすが。物語の中盤はそんな白石聖演じるアイドルが不器用だけど一生懸命なだけではないことがわかる展開がアイドルを応援するということ、その関係性が搾取という構造から抜け出せない事実を突きつけられたようにも感じて脚本家のバランス感覚が優れすぎだろ...と膝を打った。
サスペンス部である、なぜ桜井ユキが取り調べを受けているのだろうという点についてはある程度予想はついた通りなのだけど、8話観終わった視聴者にとってはこんなに優しさのある結末なんてないのでもう大満足。全編通して考えると細田よしひこ演じるヲタクがまじでヲタクの鑑なので、全ヲタクは細田よしひこになるべき。
優希美青演じる元クラスメイトの話はうやむやにしたまま終わるのか...と思いきや最後の数分で。ぬかりない。
