なんとなく見始めたタイミングで現実に連邦議会議事堂が襲撃され、そのあまりの地続きぶりに頭がクラクラしてくる。
イエメンやその他のアジア諸国、アフリカなどで問題になっている児童婚など、このドラマと全く変わらない世界が今も続いている。
抑圧された女性たちは決してフィクションではなく、ドラマが放送された2017年にMeTooムーヴメントで声を上げることで、見て見ぬふりをされてきたその存在を世間に知らしめた。
彩度を落とした色調が印象的で、一級の照明・衣装・美術・撮影が絵画のように美しい画を作り出している。俳優陣も素晴らしく、エリザベス・モスの「透明人間」は完全にこのドラマありきのキャスティングだと実感。
最初は被支配の証に見えたあの沈んだ赤の衣装が、ラストには抵抗や解放の象徴にさえ感じられる見事な脚本。デモの際にハンドメイドの衣装を着る人がいる理由がよくわかった。
「奴らに虐げられるな(Nolite Te Bastardes Carborundorum)」
原作者自身がプロデューサーとして関わっているこのドラマのヒットのおかげで昨年出版された続編「誓願」も含め、原作もしっかり読まなければ。