yokioubt

凪のお暇のyokioubtのレビュー・感想・評価

凪のお暇(2019年製作のドラマ)
5.0
こんなドラマが見たかった。こんなドラマを作りたかった。

最終回を見て少し野ブタ。をプロデュースを思い出した。修二派、彰派とかじゃなかったもんなあのドラマも。特に水族館の高橋一生と黒木華のダイアログ。お前はどこでも生きていける。野ブタの最終回の海辺のダイアログを思い出すよなぁ。

でもこのドラマは、10話の話の運び方がすごいんだよなぁ。高橋一生の印象は今野敏の隠蔽捜査かってくらい最初と最後で変わるし。。。

あと、映像。
オープニングとエンディングはたぶん漫画をイメージしてるんだろうなぁ。スパイダーバースとは違ったやり方で漫画の映像化の形を実現できてる。
色彩に凝ってるのもびしばし伝わる。とにかく見てて気持ちがよかった。

にしてもベランダから黒木華が顔出してるとまるでリップヴァンウィンクルの花嫁みたいだ。

キャラなんかはかなりリップヴァンを彷彿させるところがある(あのキャラもいわゆる良い人ではなかった。流されて空気読んでたあげくの悲劇の物語だからなぁ)から意識的なキャスティングなんだろうなぁ。

最終回から一話前の九話。両家顔合わせで家族の嘘がばれるシーン。これもリップヴァン的。でもテレビドラマ史的に言うと岸辺のアルバムかも。あのドラマだと多摩川の氾濫で家が流されることで関係性のリスタートってことになってたけど、現代的な感覚だともう修復する必要がないからあのまま縁を伐るのかなぁ。ちなみに坂元裕二のいつ恋でも似たシーンがあった気がする。

あと最後にハピネス三茶的風景のアップデート。「すいか」で描かれたハピネス三茶は一人の女性が自分の人生を歩み始める1つの舞台だった気がする。んでもってハピネス三茶といえばテレビドラマファンが共通の言語として認識している1つのユートピアの形なんだけども、このドラマでも似た雰囲気を持ったアパートが出てくる(ほぼ女性しかいない点、共有スペースでみんなで話すシーン、となりの家とほとんどボーダレスなところ)。NHKの「奇跡の人」(これも制作は日テレ系の制作会社)とか、でも似た場は出てくるし、基本的に日テレ的風景として理解されてたけど見事にTBSはアップデートした。再生産され続けるゴーヤ。黄色く塗られた扇風機。白黒映画が上映されるスクリーン。ランドセル。色彩的多様性がもたらす映像的な豊かさは目を見張るものがあった。

書きすぎた。