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凪のお暇のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

凪のお暇(2019年製作のドラマ)
4.7
都内にある家電メーカーで働くサラサラストレートヘアが特徴的な28歳の 大島凪 (黒木華) は、日々何事もなく平穏に過ごすために常に場の空気を読み 「わかる! 」 と周りに同調することで自分の平和を保っていた。
しかし、いつもニコニコ、ビクビク、人の顔色を伺う凪の様子に同僚からは、いじり、“良い意味で" のダメ出し、そして理不尽な仕事をふられ放題の毎日。
そんな 「なんだかなぁ〜」 な生活を送っていたある日、付き合っていた彼氏・我聞慎二 (高橋一生) からの一言がきっかけで心が折れてしまう。
それをきっかけに 「わたしの人生、これでいいのだろうか…」 と見つめ直した結果、凪は人生のリセットを決意する。
会社を辞め、家も引き払い、交際していた彼氏もろとも知り合いとの連絡を絶ち、SNS をやめ、携帯も解約。
幸せになるために人生のリセットを図った。
そして東京郊外の何もない六畳一間のボロアパートに引っ越した凪。
コンプレックスの天然パーマを隠すため毎朝1時間かけてアイロンをかけていたサラサラストレートヘアもやめて、そのままに生きることを決意する。
仕事もこれまでのつながりも予定もない、誰にも縛られない楽しいはずの自由な生活。
しかし、やはり人の目を気にしてしまう凪は空気を読んでしまいそうになる…。
凪を追いかけてきた慎二やアパートの隣人・ゴン (中村倫也)、そして新しく出会った人たちに囲まれながら、凪の人生リセットストーリーが始まる。
社内で空気を読むことが優先で同僚から仕事や失敗を押しつけられている凪が、あることをきっかけに仕事を辞めて人生リセットする決意でおんぼろアパートでの新生活で、アパートの住人である映画好きの吉永さん(三田佳子)やシングルマザーのみすずさん(吉田羊)や就活中の坂本さん(市川実日子)との交流の中で、かつていいようにマウントされていた同僚の足立やモラハラされていた慎二に反撃出来るようになったり、空気を読んでいた仮面の下の自分の承認欲求などに気づいたり、慎二が自分と同じように家族関係の中で空気を読むようになって生きてきたことを知り理解したり、自分のやりたいことを見つけていく三歩進んで二歩下がる平坦ではない大人の青春ストーリーを、ゆるふわなゴン(中村倫也)との恋や坂本さんとの友情や毒親との関係を絡めて描いていて、たおやかな中に芯の強さを秘めた凪がハマっている黒木華や一見モラハラ男の慎二の中にある生きづらさも演じ切った高橋一生やゆるふわなゴンがハマっている中村倫也や吉田羊や市川実日子の絶妙な演技派俳優のアンサンブル、しっかりと凪の葛藤や成長を描きつつ凪と坂本さんとみすずさんが呑みながら人生ゲームするシーンや凪と坂本さんが自分たちのコインランドリーを具体化していくシーンや凪たちが解体されるアパートにストリートアートを描いていくシーンなどほっこりするシーンを織り込むメリハリの効いた語り口、同僚やママ友の中のマウンティングやモラハラやパワハラなどの問題を織り込み、「もっと自分にも他人にも真っ直ぐ向き合い自分に正直でいた方が良いんじゃない?」というメッセージを強く打ち出した傑作ドラマ。