この『ツイン・ピークス・リターンズ』は、『Twin Peaks: The Missing Pieces』というボックスセットに収録されている『ローラ・パーマー最後の7日間』の削除シーンに似たシーンがたくさん入っている。リンチは、オリジナルのTVシリーズで本当にやりたかったことを全部やって、ツイン・ピークスを終わらせようとしているのではないか?
クーパーが悪いクーパーを倒して、ブラックロッジに戻し、めでたしめでたし、というラストは、お茶の間用のラストだと思う。本来ならば、ツイン・ピークスでは善と悪は対になっていなくちゃいけないからだ。このシーンにかぶっているクーパーの無表情な顔が「I'm living in a dream(私は夢の中で生きている)」と囁いているのは、勧善懲悪で上手く収まったラストを「ああ、夢がかなった」と思っているお茶の間の視聴者が恍惚としているのを表していると思う。
My prayer is to linger with you At the end of the day in a dream that’s divine My prayer is a rapture in blue with the world far away And your lips close to mine Tonight while our hearts are aglow