山岡

レジェンド・オブ・トゥモロー<セカンド・シーズン>の山岡のネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

S1でチーム結成の目的であったヴァンダルサベッジを倒したレジェンド・オブ・トゥモローの次なる敵は、なんと『フラッシュ』S1の大ボスだったイオバード・ソーン=リバースフラッシュ。まさかのリサイクルに驚かされた。

イオバードは『フラッシュ』S1ラストで先祖であるエディ・ソーンが自死したことにより存在自体が消失したはずが、『フラッシュ』S2-EP10,11にいきなり登場し、しかもそこでは何の説明もなされず退場したので個人的には非常に違和感が残っていたところ…しかし今回の『レジェンド〜』S2で再登場し、運命の槍を求めてレジェンド達と攻防戦を繰り広げた。フラッシュのいない世界でのイオバードはまさに無敵状態で、スピードスターの能力がいかに強力なものなのか、見せつけられた。

さらに今シーズンでは、イオバードの仲間として、『アロー』S1の大ボスであるマルコム・マーリン、『アロー』S4のダミアン・ダークもリサイクルされ登場し、スーパーヴィランチーム、リージョン・オブ・ドゥームとしてレジェンドの前に立ち塞がる。『レジェンド〜』シリーズの最大の魅力であるクロスオーバーの面白さがここに極まれりという人選だ。正直、イオバードを除く2人はかなり間抜けな存在感で、『アロー』で放っていた殺気というか強敵のオーラが全く感じられなかったのだが、長いシリーズなのでこれくらいのキャラ変は逆に旨味と捉えるべきだろう。
とにかく、本シーズンの最大の魅力はこれらスーパーヴィランのリサイクルだと思う。

また、時間旅行的な面白さも前シーズン以上に際立っていた。ナチス占領下のパリ、江戸時代の日本、独立戦争・南北戦争時代アメリカなどなど、歴史の影にレジェンドありといった感じで、歴史への介入っぷりがかなり豪快で本筋のストーリーと関係なく、楽しめた。
また、歴史だけでなく、禁酒法時代のシカゴでは『アンタッチャブル』ネタを全開にし、さらに60年代のロスでは『スターウォーズ』を作る前のジョージ・ルーカスと出会ったり、第一次大戦従軍中のトールキンに創作のヒントを与えたりと、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』におけるチャック・ベリーのようなポップカルチャーネタに満ちていた。

あと、基本的には単なるドタバタ劇なのだが、イオバードに槍を取られて世界を書き換えられてからのラスト2話の勢いは素晴らしかった。EP16で惨めな目に遭わされ、さらに仲間が何人も犠牲になったあとの復讐!これほどスカっとする展開はない。

あと惜しいポイントを挙げておくと…
JSAはビジュアルはカッコイイんだけどキャラの掘り下げが無かったのでもう少し活躍が見たかった…そして知らぬ間にリップに槍を託され一人ずつ死んでいく展開はドラマティックではあるがかなり気の毒だった。
あと、スナートはあれだけたくさん出番あるんだからもうレギュラーに戻って来いよと思ってしまった…。
さらに、「レジェンドは、時間軸を守るとか言いながら、今シーズンはルール破りまくりで滅茶苦茶過ぎる!」……なんてツッコミをいれたいところだが、そんな視聴者の思いにしっかり答えてくれるラスト…次のシーズンも楽しみ!!
山岡

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