ブレンダン

グランメゾン東京のブレンダンのレビュー・感想・評価

グランメゾン東京(2019年製作のドラマ)
4.2
力の入れ方が他のドラマと全然違う。
一度挫折した人間がもう一度頂点を目指すというキムタクドラマによくあるお話だし、主人公の尾花は料理の腕はピカイチな一方で人付き合いに難があり自分勝手でトラブルメーカー、でも実は仲間思いで責任感が強いというキャプテンキムタクです。新しい調理法を科学実験と揶揄しつつもライバルの実力は認めるあたりも実にキムタク。
しかしそれは悪いことではありません。このドラマは「キムタクってどのドラマでもキムタクだよね」という批判を逆手にとっています。尾花がかつて「日本の恥」とバッシングされ店と仲間を窮地に追い込んだという設定は独立騒動で「裏切り者」と揶揄され結果的にSMAP解散を招いたとされる木村拓哉の境遇を意識しているに違いありません。だからこそ主人公はまんまキムタクでなんの問題もないのです。ほぼ本人役なのだから。この一点だけでも木村拓哉のドラマ史において特別な作品になるのでしょう。
料理は美味しそうだし所作もいい。ココをクリアしてたらもう十分でしょ。多分これから仲間集めが始まって、彼らに関係する料理が登場するというベタな展開が続くのだろうけど多分面白い。
沢村一樹さんが最高。感情を爆発させるシーンは良かった。キムタクとのデコボコ感も最高。今の芸能界で最もキムタクと相性がいい人物なのではないかと思えるほど合っている。2人でシャーロックホームズやればいいのに。あと初めて知ったけど吉谷彩子さんも良かった。
ミシュランの裏側、血統、飲食店が直面する熾烈な生存競争。こういった小ネタがベタなお話にリアリティを与えてくれています。
パリだから富永愛を使う、商売人には似非関西弁を喋らせる、こういうのはバカっぽいけど楽しいからいいと思います。
全体的に展開が唐突で追い詰められたわりにはトントン拍子に行き過ぎるところもある。登場人物の中に役割が被ってる人も多く、同じことを繰り返している気もします。特に玉森さんの立ち位置が中途半端なため寛一郎さんとの兄弟弟子としての対比が滅茶苦茶になっている。本来ならヨーダとスカイウォーカー親子みたいな構造であるべき。二人が登場すると若干つまらなくなるのが残念。尾花が常に正しくて甘やかされているため尾花が成長せず周りが成長している点も気になります。
完璧な作品ではないですがそれでも十分楽しいです。