Amber

プラージュ ~訳ありばかりのシェアハウス~のAmberのレビュー・感想・評価

4.5
吉村貴生(星野源)は、旅行代理店の仕事も好きな女の子とも上手く行かず、憂さ晴らしに出掛けた先で酔って覚醒剤を打たれ、執行猶予に。挙げ句の果てに火事でアパートを焼け出され、前科者ばかりが暮らす、1階がカフェになっているシェアハウス「プラージュ」のオーナー潤子(石田ゆり子)と出会う。
プライバシーを守るものはカーテンだけ、家賃5万円で、美味しい食事付き、という条件で、貴生はプラージュに住み始め、しかも1階のカフェのバイトも始めるが、案の定、再就職はうまくいかず、プラージュに住んでいる面々とも衝突しがちだったが…。

はじめは全てを他責にしがちだった貴生の態度が、プラージュに住むそれぞれの人と関わり合うにつれて『自分が罪を犯した』と自責で考えるようになり、他者を思いやれるようになっていく、その過程がしっかり描かれていました。
罪を犯すことは、何があっても許されないことだろうけれど、どの人の背景にも、罪を犯さざるを得なかったやるせなさがあり、だから『罪を償えば、もうあとは許される社会であって欲しい』という潤子さんの台詞は、考えさせられるものでした。

一方で、家族を殺された遺族の気持ちは?という問題もあり、しかしその遺族の気持ちも一概には語れない。

少なくとも、罪を犯す人と犯さない人は紙一重だということが、改めてよくわかる佳作。

美羽(仲里依紗)の回は、観るのも辛かったけど、ここまで描ききっていて、よかった。
星野源の表現力、やっぱり素晴らしい。
普通の男性の素朴なところ、汚いところ、いやらしいところ、可愛いところ、余すところなく表せるって、実は難しいことのように思います。
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