やっぱりこういうほっこり系は非常にいい。
孤独な主人公のもとに、ある日突然セミの王子様が現れて、キュンキュンな恋愛劇スタート！というストーリー設定、一歩間違えれば大コケしそうなのに、本作はなんとも自然にその設定を受け入れてしまうように構成されている。舞台の国分寺がまた良いんだよな〜。
そして役者の方々。
主人公おかゆさんを演じる木南晴夏さんがただただ素晴らしい。どこまでも控えめで、だけどセミオと出会ってからはおしゃべりが止まらなくなり、そんなピュアなおかゆさんがとても好き。
もう一人の主人公セミオ役の山田涼介さんもいい。邪気が全くないセミオ。つい和んでしまう。
それからウツセミ荘の住民の方々、それぞれ個性が光ってすてき。
本作はコメディタッチで描かれているけど、テーマはしっかりと重い。ちょっと違うけど、是枝監督が創る作品の雰囲気に似てて、世界が優しい。
登場人物たちはみんなそれぞれ生きづらさを感じている。現実世界でも、きっと誰もがそうなんだろう。だからこそ、「あなたは生きていていいんだよ」という言葉が深く突き刺さる。
