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開封府-北宋を包む青い天-のtanziのレビュー・感想・評価

開封府-北宋を包む青い天-(2017年製作のドラマ)
3.6
北宋、皇帝真宗から仁宗にかけての時代背景を舞台に、実在し清廉潔白な官史として今なお人気のある包拯という人物を主役にした物語。

彼の事は宋代に書かれた「仁宗実録・包拯附伝」と元代に書かれた『宋史』包拯伝の2つの歴史書にも記されており、没後も様々な伝説が生まれ創作がされるほど千年後も人気を誇る。

ここでは図抜けた正義の人となりを、生まれ持った見た目と障がい(恐らく発達症がい)を影響として設定している。

真宋が亡くなり、皇帝になどなりたくない後継者仁宗を巡って張徳林と王延齡という2人の重臣の覇権争いで幕が開く。
そこに寵妃だった劉娥まで参戦してなかなかのドロドロぶり。

このまま話が進むのかと思いきや、包拯が役人として都の開封に上がってきてからはキャクターが格段に増えてくる。

その脇を彩る人物達が実に濃い面々で一気にストーリーの推進役に取って代わってからが本番かと思うほど面白くなってきた。

特に、エキセントリックな劉娥の弟"腐れ国舅"こと劉復と、次世代代表 張子雍の存在が輝いており、包拯が真面目すぎて今ひとつ地味な分、多くの脇キャラの破天荒さでグイグイ引っ張ってくる。

やがて、関連の著名創作物で京劇でも有名な秦香蓮と陳世美、韓琪も登場し、後に創作された「七侠五義」では御猫(展昭)の永遠のライバル錦毛鼠があの人になる事を予感させる伏線とか、なかなかの目配せも楽しい。

あまりにも有名な人物、包拯が主人公なので変化球で攻めてきたのだろうけど、それが功を奏した形。面白かった。
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