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北の国からのmarbo917のレビュー・感想・評価

北の国から(1981年製作のドラマ)
5.0
小学2年の純の目を通して、登場人物の成長、北海道の自然の厳しさ、家族の絆を丁寧な心情描写で描く説明不要の名作。
五郎、純、蛍が東京から麓郷の五郎の実家に移り住み、二軒目の家ログハウスでの暮らし始める迄を描く。雪子と草太とつららの三角関係、涼子先生の未知との遭遇、笠松の爺さんとの因縁と恩と急死、令子の急死…24話もあり、かなりのボリューム。

【感想】
これまで観てきた国内ドラマの中でダントツの一位に君臨。今見直してみると配役の豪華さに気付かされ、所々で流れる当時の流行歌が懐かしい。
子供の頃に見た時は麓郷の暮らしに不便さ感じたものだが、大人になって見返すと心の豊かさや人との繋がりに羨ましさを感じる。

2回目の鑑賞だが、殆どの登場人物が影を持っていることに気づく。
・五郎…妻の令子が不倫される。
・純…卑屈でマウンティングをしたがる。
・蛍…素直に自分の感情を表に出す事が出来ない。
・令子…不倫のバチで重病にかかると思い込む。
・雪子…不倫した相手の子供を堕ろす。
・草太…夢だったプロボクサーを挫折。
・つらら…草太を諦め、トルコ嬢に。
・清吉伯父さん…長男に出て行かれ東京女子アレルギーに。
・中畑の伯父さん…不幸話をでっち上げごごみとねんごろに。
・こごみ…不幸な人をほっとけない病。
・笠松の爺さん…未開の土地を汗水たらして開拓したのに周りに見捨てられる。
・正吉…母親と暮らせず、一緒に暮らしていた爺さんが急死。
・涼子先生…東京にいた頃に教え子に叱咤したことの腹いせで自殺されバッシングに合う。

主要人物はそれぞれ悩みや葛藤を抱え、どのキャラクターにも共感してしまう。そして、21年にも及ぶ長い月日の過程を見守り、家族に近い擬似体験をする醍醐味が他にない理由だと思う。
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