うろもとうとか

北の国から '89帰郷のうろもとうとかのネタバレレビュー・内容・結末

北の国から '89帰郷(1989年製作のドラマ)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

酔いどれ五郎さんのなかなかのワンカット
中畑のおじさんは居るものの
微笑ましいほぼ一人語りからはじまり
(絶対純そんな自慢気な状況じゃないっしょ…)
北の国からの始まり方の中で
一番好きかもしれない
まだ純朴全開の螢にシフト
女の子の声変わりって男に比べると
わかりにくい印象だけれど
演技力の変化もあるけど
螢を観ていると着々と変わっているのがわかる
純の初恋も先々も含めて痛々しいところが
あったけれど
螢にとっての勇次というキャラもなんだか
良くも悪くも絶妙に痛々しいキャラ
のちの巣立ちも引き続きだし秘密の勇次の結果は
納得してしまう…
さておき五郎さんも螢も知らないうちに
東京で着々とヤンチャと化す純
TVドラマ時に一歩一歩と鍛えられた純は何処へ
反動というやつか…
一人ならわかるけれど
雪子おばさんと不倫野郎の家に居候していながら
あんな様子だったら
そりゃおばさんに変わったって言われるわな…
とは言え全部激しい青さ
強がれば強がるほど弱さが際立つ
善は悪に踏み躙られ
良心は一歩間違えればとんでもない凶器と化す
北の国からに関して東京と北海道の対比が
東京はろくでもやいところの強調が改めて凄い
でもそんなろくでもなさが強調される中で
浮いたりもがいている人たちが確かにいて
関わらないようにされてる
確かに本当に関わらない方がいい人も
居るかもしれない
けれど傷付くことを恐れてる人達や
不器用な人が隠れていたりして
純という都会に染まりきってない人間に惚れた
エリちゃん健気すぎてお札を探すところ涙出る
(シリーズ通して主人公とはいえ螢に対して純モテすぎだろ…)
そして富良野に帰ってきた純
距離を置いたことによって
より感じる富良野の人達の暖かさ
寒さと比例しているかのような暖かさ
そして父、五郎さんの内から出る"背中の大きさ"
久々の兄妹の会話
純が気になるどの話をしようとしても
涙が溢れてしまう螢
印象深いシーンの一つ
勇次が手を振る電車を全力で追う螢
撮影する"間"が大変そうだ
勇次の手紙、そしてその語り大分良かった
風呂の中と外を通して話す
五郎さんと純の血筋の強いやりとり
弱っている純が求めていた言葉、存在は
紛れもなく父、
的確な飴であり的確な鞭である五郎さんだった
そしてまさかの螢サイドのアイテム"ラヂオ"から
れいちゃんに繋がるとは
とてつもない行動力で一気にたどり着く
初恋の相手れいちゃん
お互いに丁度いい距離感、精神感の時代
そしてれいちゃんと会話する中
れいちゃんのことより
自分が富良野に連れて来られた頃の
それからの富良野での日々の父、五郎さんの
気持ちが少しずつわかってきて沁みてくる純
そして冒頭のシーンの続きなのか
毎度呑んだらそういう結末になるのか
中畑のおじさんに介抱される五郎さん
やはり微笑ましい
癒される始まり方にして
癒される終わり方だった