クワハラリエコ

北の国から '98時代のクワハラリエコのレビュー・感想・評価

北の国から '98時代(1998年製作のドラマ)
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なにが起こるか知っているので観るのに覚悟が必要で、一旦仁義なき戦い(サブ・北の国から)を挟んでしまった始末

〜前編〜

正式に離婚して富良野に帰ってきた雪子おばちゃん。ふらっとやってきてお風呂覗いた草太にいちゃんが、中畑木材まで爆走して「おじさんとこに女がいた!(シュウじゃない)年増の女の背中だ!」、笑う。草太にいちゃんがそういうこと言うと時代に合わなくなって再放送できなくなるからやめて。ほふく前進で黒板家に偵察に行く中畑のおじちゃんと草太にいちゃん😂

中畑のおじさんに、雪子おばさんに、正吉に、お金を貸してと言って回っている螢。私はやっぱり、動揺する。か細く、憂いを帯びた雰囲気で、人の目を見なくなった螢に、果てしなく動揺する。否、当たり前だ、だいたい3年にいっぺんくらいのスパンのドラマで、螢のことを知ったような気になるなんてことがそもそも愚かしい。子供の頃のイメージをそのままに、大人になった螢に押しつけることの恥を知れ。しかしやはり、動揺はする…

みんなに断られ、心配され、草太にいちゃんの牧場にやってきた螢。牛のお産の介助をする草太にいちゃんを遠巻きに見つめ、涙ぐむ螢。

螢「草太にいちゃん、お金貸してくれない?」
草「おう、いいぞ。いくらだ?今いくらあったかな」
螢「できれば20万…」
草「なんだそんなもんでいいのか。それだったら大丈夫だ。一服させろ。すぐ用意させる。」
螢「ありがとう…」
草「気にすんな、昔の草太にいちゃんとは違う。いつでもどーんとこい、そんなことくらい…」

私は螢と一緒に、涙を流す…
お母さんを見送る螢、雪子おばちゃんを見送る草太にいちゃん、大切な人との別れの場面、河原で、隣に居合ったふたり。昔の螢と違う螢に、動揺することしかできない純や私とは違って、螢に対してなにも変わらず、味方でいてくれる草太にいちゃん

しかし、「人生で一番考えた」という草太にいちゃんの正吉への提案が、ある意味さすが清吉の息子という感じでこれまたびっくりする。いつも少しずつ間違えている草太にいちゃん。草太にいちゃんと違って、たぶんそれが正しいことだと思わなくても、五郎さんへの恩義を忘れず、自分なりに決心をする正吉の姿、純とはやっぱりこの辺が違うんだよね(純、「俺も昔ミスっちゃってよお」じゃねーぞ!)

純と正吉と螢の3人で話す車中、「ふしだら…言えてる…」と少し笑って話す螢を見た純が、「俺の知ってる螢は、子犬のようにいつも俺の後ろをついて走ってきて…」とドラマシリーズの幼き螢の映像をフラッシュバックさせてしまうの、笑ってしまう。情けないが私も同じ状態なんだ。私たちの知らない螢になっていく螢

しかし五郎さん家、立派なベランダまでできているのが改めてすごい
ラストシーン、トラクターで、農薬を撒きに乗り込んでくる草太にいちゃん


〜後編〜

なんとなく、螢がこういうことになってしまったから、今度はシュウが天使みたいな存在を担っているのではないかと思う。「そーよお」とか、あのゆったりした喋り方、ついつい物真似してしまう。習得したい。時代もあると思うけど、プレゼントに「純へのことば」をまとめたポエムノートをあげるっつーのも(90年代特有の丸文字で)、凄くないか。ほんとこれ、宮沢りえだから天使だけどよお。「りーんりーんて鳴らないかな(電話のイラスト)」とか、許されんのかな。あと純は「お前」とか言っちゃうタイプなんだよね〜(吉岡くんはどんな女優が隣にいても似合うのがすごいよ)(女が求める「普通の男」のイメージは星野源、とか言うけど本当にそうか?私が思う普通の男は吉岡秀隆だよ)

草太にいちゃん、自分の結婚式でのことあんまり反省してないよなあって思って笑っちゃう。身重の螢の結婚式もド派手にやりたいのよね。ずっとちょっと頭が足りてない草太にいちゃんよ

自分が断ったから、というところの業を純に背負わす倉本聰の所業…と思うが、でもなんか純なら大丈夫そうっていうのもわかる…なんやかんやね、純は大丈夫なんだろうなあ

結婚式の草太にいちゃんのスピーチのテープと、五郎さんがこっそり持って行っていた令子の写真、当たり前に涙止りませんでした