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チェルノブイリのsomalのレビュー・感想・評価

チェルノブイリ(2019年製作のドラマ)
5.0
スターチャンネル字幕版と吹替版。
最終話まで観賞。
出来れば無料の放送で、日本人全員に観てもらいたい作品だと思いました。

無理やり不満点を挙げるならば、全てロシア語で製作してほしかった事くらい(作中のテレビ放送や街頭放送はロシア語だったりしますが)。
相変わらず共産圏の描写には容赦ないですが、彼等は同じように広島、長崎を描けるのだろうか?という疑問も。(余計な世話か)


一話は事故が起きる直前から始まり、事故後の数時間後までが描かれます。
当時は東西冷戦真っ只中で電子メールもインターネットが無かった世界。
ソビエト連邦は、ゴルバチョフ書記長の元、以前よりは開かれたとはいえ、鉄のカーテンの向こう側で徹底した秘密主義でした。
欧州各地の空間線量計が異常値を示して事態が発覚したと記憶しています。

一話で一番怖かったのは、放射線による健康被害よりも、現実を受け止めようとしない旧ソビエトの責任者たちの姿でした。

二話は事故後、最悪の事態を避けるために奮闘する科学者や指導者、市民の姿が描かれます。

事故を認めない発電所の所長達にイライラしますが、事態に抗おう、好転させようと奮闘するレガゾフ博士や副議長、女性の原子力研究者が素敵。
盗聴されているかも知れない電話口で元素記号を甥の年齢に例える描写にフフってなりました。

世界中に原発事故が発覚し、遠く離れたフランクフルトでは子供を屋外に出さないとの会話のあと、チラリと外に目をやると普段のように外を歩く若者たち。
細かい描写にまで旧ソビエトの体制批判が描かれます。

仕切弁を開けるために、決死隊を集って、破壊された原子炉下に潜り込む描写のBGMが怖い。
志願者を集う場面は、事故が共産圏で起きて良かったのかもな?なんて思ったり。


三話では、爆発直後に消火活動を行った消防士たちに放射線の障害が出始める。
体が内から外から溶け出す描写が恐ろしい。

遺体が放射性廃棄物になってしまったために鉛の棺に納められ、そしてその後の扱い。

レガソフ博士とシチェルビナ副議長の、一時は反目するが距離を保ちつつ、お互いを尊重し合う関係が重苦しい作品の癒しに感じてしまう。

事あるごとに、盗聴や暗殺を気にしなければいけないお国柄は大変。(ここら辺は誇張もあるでしょうけどね)


四話
シチェルビナ副議長とレガソフ博士をはじめ、現場の関係者の献身的な努力にも関わらず、事故の被害を矮小化する当局に怒りと諦めを感じる。

高濃度放射性廃棄物となった建屋屋上の黒鉛を取り除く人海戦術は、人命軽視と思う反面、事故がそんな国で起きて良かったのかも?なんて思ってしまう。


最終話
IAEAで真実を証言するレガゾフ博士。
事故が人災だったこと、そして、登場人物達のその後が描かれます。

エンドロールで語られる事実と映像は救いもあるが重過ぎる。