ようやく観れた.
とにかく
見応えがある.
信頼のHBO感.
生々しそうだから、
みるの辛そうだなぁと思っていたが、
そういう問題ではなく見るべき、
と観終わった後に改めて思う.
懸念していたのは、
プロパガンダ(「建前」と訳していて、ナルホドと思うなど)とか、
感情に訴える系だと辟易、と感じていたのだけど、
個人的には充分フェアな作品と感じた.
巧妙、と言うこともできるけど.
少なくともこう言うことは起こったのだ、という説得力がある.
演出も抑制が効いていてシャープである.
こういう乾いた表現ができるの素晴らしい.画面作りも然り.
感情ではなく、生理的に訴えてくる映像というのか、効果音も含めて徹底されているのが小気味良く、気持ち悪く、そして不気味でもある.
各々のエピソードがリアルで、
日常が侵食されていくのって
こういうことだよな、と今なら分かる.
その上でも事故直後の極限状況は、
もう超常現象の域に近い.
炭坑夫の、
人間としての最低限の尊厳をギリギリ毀損されてる感じの、
むしろ動物としての、
割り切りみたいな感覚が見たことのないものだった.
ステルスガルド、
基本嫌なクソジジイな雰囲気なんだが、
気骨があって好きになった.
「嘘の代償」(「コスト」と言っていた)というのがテーマだと思うが、
嘘ってのはなんなんでしょうねーと思ってしまった.
知らないこと、無関心や不誠実なのにもコストを伴う、という気がした.
何にリスクを取っておくかって事なのかもしれないが.