セレソンQ

チェルノブイリのセレソンQのネタバレレビュー・内容・結末

チェルノブイリ(2019年製作のドラマ)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

映像、演出、脚本、全ての要素が桁外れなクオリティーです。こんなに凄いものはあと数年は出会えないと思います。怪物と行って良い出来です。
有史以来最悪の原発事故を学ぶという意味でも、日本人として原子力を学ぶという意味でも、つまり娯楽という枠を超えて観るべき作品であるのは間違いないですが、一方であくまで娯楽である映像作品としてもある種の臨界を極めた作品であると思います。
実話を元にした作品というのは傾向として、リアルを突き詰めすぎてただの資料になってしまう場合と、デフォルメしすぎて全く違うものになってしまう場合が多いと思います。しかし本作は原発関連の圧倒的な再現を行いながら、高度な映画的な演出が随所に散りばめられ、さらに計算された脚本をもって物語的推進力を高いレベルで維持しているので、テンポは比較的ゆっくりに設定されているのに飽きることなく一気に最後まで観てしまえます。
5時間の映画といっても全く差し支えないですが、ドラマとして1話から5話で物語が円環構造になっているのも大変素晴らしいです。
1話は男の証言と自殺から始まり、タイトルが出るとチェルノブイリの爆発の映像なしで原発作業員達の事故対応から始まります。そして4話かけ原発の対応を追いかけながら事故の原因を探る物語が展開し、5話の冒頭で時間軸が1話の直前に戻り、法廷で事故原因を証言しながら当日の様子が描かれ、5話の終盤で爆発の映像が初めて映されます。
原発の爆発事故を扱う作品で、映像的には見せ場の爆発シーンを最終回の終盤に持ってくるというのは本当に凄いことだと思います。
また登場人物達の人間ドラマとしてもしっかりと成立している作品でもあり、正義や信念についても考えられるところも凄いです。
全ての要素が凄まじいクオリティーで成立しています。原発を扱った作品では間違いなく歴史残る作品だと思います。