Yui

チェルノブイリのYuiのレビュー・感想・評価

チェルノブイリ(2019年製作のドラマ)
5.0
一人でも多くの人に観て欲しい、知って欲しい、日本人としても知っておくべき、チェルノブイリのドラマがU-NEXTに追加されていたので、レビューを再投稿させて頂きます。

衝撃的な内容ですが、一度観たら忘れないノンフィクションドラマで、映像、演出、脚本全てが桁違いのクオリティです。是非、観てみて下さい。



「嘘の代償とは」

なぜチェルノブイリ原子力発電所事故が起こったのか、その時何があったのか、誰の責任なのか、今どうなっているのか。30年以上の時を経てHBOでドラマ化。ずっと気になっていてやっと鑑賞。

大して賢くない私にも凄く分かりやすく、核心をついたドラマでした。1から10まで何があったか誰が悪かったかなんでそうなったのかがちゃんと分かります。映像と共に根気よく分かりやすく説明してくれるので全然難しくない。何もかもがリアルなので苦しくなりますが、それ以上のものがあります。

5話の短いドラマの中でどんどん明らかにされていく"真実"。どんどん暴かれていくからもうショッキング過ぎて一気見。ドラマとしても秀逸で面白かったので止まりませんでした。

旧ソ連が記録を残さなかったので犠牲者の数は31名とされているけど、実際に事故処理に当たった作業員は60万人、犠牲者は概算で4000人から9万3000人。正確なの数は謎とされているらしい。

放射能を浴びた消防士や、被害者、被害地域、原子力発電所、爆発した原子炉、原発内部など映像がとにかくリアルで、何が起きたか分かった上で観るからこその恐ろしさがありました。
目で見て感じる悲惨さと、分かりやすい説明がありながら、致死量の放射能を浴びるのを分かっているのに現場にいる人、向かう人。心が潰れそうになりながら観てました。

「この国は子供が母親を救って死ぬ」って言葉が心に刺さって抜けない。

チェルノブイリ原子力発電所事故は過去の出来事だけど、原子力発電所がなくならない限り、このドラマの問いかけている事は過去にはならないんだなと感じたし、本当に説明が分かりやすい事に一番驚いたんだけど、"伝えたい"からなんだなと、制作側の大切にしたい思いにもグッと来ます。


今すぐ二周目はちょっとしんどいけど、時間が経ったらもう一度観たいです。内容の衝撃とは別に、凄いなと感心させられたドラマでした。おすすめです。

HBO×監督が『ブレイキング・バッド』や『ウォーキング・デッド』を手がけたヨハン・レンクなのが、なるほどとなる秀逸さです。
Yui

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