EDDIE

チェルノブイリのEDDIEのレビュー・感想・評価

チェルノブイリ(2019年製作のドラマ)
4.5
この真実を知ることで唖然という言葉以上の喪失感を味わった。最終話で真実が語られるまでに構築される原子力発電事故や放射能汚染の脅威。人間が自ら生み出した科学の力に翻弄されていく様は地獄絵図。
自分が生まれた頃とほぼ同時期に起きた世紀の大事故。その惨状以上に人間が保身のため嘘を塗り重ねるクソみたいなプライドに怒りが込み上げて仕方ない。


▼Twitterに投稿した各話短評

◆ 第1話
“1時23分45秒”
1986年…冷戦下においてチェルノブイリで原子力発電事故が発生。見るも明らかな爆発と豪炎は住民に恐怖心を植え付ける。しかし一番の恐怖はお偉方が事故を隠蔽しようとする模様。実話だけにその描写がリアルで鳥肌が立つ。ラストの衝撃は脳裏に焼き付いた。

◆ 第2話
“現場検証”
ありえない。原子力発電所から放射線物質が放出され、近いうちに大爆発を起こす。6000万人もの人々を犠牲にしてしまう脅威。ヨーロッパ全土に大惨事をもたらす水蒸気爆発が起こる前に、地下タンクの命懸けの排水を決行せねばならない。

◆ 第3話
“KGB”
放射能汚染の深刻さが如実に伝わるエピソード。病床に伏せる被爆者たちの姿は目も当てられない重体ばかり。もはや“生”が余計苦しみを重ねるかのよう。汚染が進み防護服さえ気休めにもならない段階に突入。これがチェルノブイリ原発事故の惨状か…。

◆ 第4話
“掃討作戦”
原子炉爆発から数ヶ月…野犬を討伐する動物駆除チームに新人が入隊。いくら仕事とはいえ子犬を銃殺する度胸はない。原子炉では汚染が進行し命懸けの作業が続く。もはや死へのカウントダウン。胎児が被曝し死亡した女性は打ちひしがれる。

◆ 第5話(最終回)
“真実”
ショックの連続。保身のために嘘を重ねるディアトロフ。大勢の人の命がこの男の自分勝手な指示によるものだと知ると怒りが込み上げてくる。放射線障害という代償はあまりにも大きく…法廷で証言された真実には開いた口が塞がらない。無念。
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