ピロシキNo10

燃えよ!カンフー<ファースト・シーズン>のピロシキNo10のレビュー・感想・評価

3.5
序章は初回の映画枠放送、ドラマはたぶん八十年代の深夜枠での視聴。

賞金首になってしまった少林寺の僧が、父の故国アメリカに渡り、人の欲、悪意と闘う西部劇仕立の親タオイズムドラマ。

タイトルがこの通りなので、初見では、面食らう事間違いなしだが、50年代、60年代のアメリカTVドラマの地味な到達点。

特に、最初の5.6話までは、地味過ぎなので、注意。

シーズン全編を覆う疎外感は、決して人種差別的なものだけではあるまい。
ベトナム戦争への、懐疑が高まった頃でもある。

浮世離れの一言で済ます手もあるが、
自分としては、嫌世感にタオイズムをぶつけているような、なぞの前向きさを感じてしまう。そこが人気の理由かと。


毎度のフラッシュバックも判りやすいし、不思議なリズムを作り出していると思う。

序章は、マスターピースと呼べる出来。
米国でファンが多いのも納得。

TV版はヤケに古臭いドラマでしかないんだが、なんだか昭和の香りがする。人物造形が古いせいか。

日本の70年代のドラマは、意外と米国ドラマの焼き直しが多かったのかもしれないな。