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トーキョー・ミッドナイト・ランのtetsuのレビュー・感想・評価

3.7
FODに登録しているとみつけたので、鑑賞。

クリスマスイブの夜。
町を彩る"サンタごっこ"に興じる、2人の若い女性。
ロッカーに置き去りにされた猫を見つけた彼女たちは、飼い主を探して町を彷徨い始める。
しかし、ふと投稿したtweetの内容から、誤解を受けてしまった2人は、大勢に追われる身となってしまい……。

全編ワンカット風の手法で撮られた斬新な単発ドラマ。

東京の街を実際に駆け抜ける二階堂ふみさんとコムアイ(水曜日のカンパネラ)さんが抜群に魅力的な一作でした。

高速移動によるカットの切り替わりシーンによって、繋ぎ目を意識させない手法。

長回しの連続で構成していく物語が、近年の大作映画『1917』とも通じており、数年前に日本のドラマとして、この作品がすでに作られていたことに、少し感動を覚えました。

また、実際に、ゲリラ撮影を敢行したため、カメラを素の表情で見つめる人々が映っているのも印象的。

普通であれば、作品の稚拙さとして悪目立ちしそうな部分ではありながらも、「不特定多数の人間に追われることになった2人」という設定によって、むしろ味になっているのは、かなり秀逸だと思う部分でした。
(フランス映画『5時からの7時までのクレオ』で、他者の視線を過剰に気にする主人公を強調するため、あえて通行人が彼女を見て、振り向く動作をいれた演出にも似ているように思った。)

演出の特性上、若干、冗長な印象を受ける部分があったり、作品そのもののストーリーが若干、弱いという欠点はありますが、アイデアそのものに、かなり高評価をしたい名作ドラマだと思いました。

P.S.
そして、普通にコムアイさんの演技をもっと見たいと思った。笑
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