ラチェットスタンク

ワンダヴィジョンのラチェットスタンクのレビュー・感想・評価

ワンダヴィジョン(2021年製作のドラマ)
3.7
"Previously on..."

フェイズ4開幕作品にしてMCU史上最大の問題作品になるかと予想していましたが、やはりエンタメ界の台風の目。
良くも悪くも誰もに見やすいよう作られたドラマ作品でした。
当たり障りのない方向へ着地した印象です。

テーマはやはり他のMCU作品同じく一貫して「他者を救うために自己犠牲に準じるヒーロー」
そこにキャラと世界観を掘り下げるストーリーを添える。
というのが作品の構造

作品全体がブラフとミスリードの連続
ヒーロー映画にシットコムとミステリーを組み込んだ斬新なスタイルで進んでいくんだ!という考えそのものが踊らされた先入観
「コンセプトを利用しきれなかった」というより「コンセプトを利用して観る者の裏をかいた」というべきでしょうか。
ですがやはりミスリード頼りにして展開を読めないようにしている感は否めない。

異色作から見事にシンプルなエンタメ路線へとシフトしていく。

制約が多く保守的な印象はやはりありますが、多くの人を惹きつけるだけのモチベーションは十分にある作品です。

何よりワンダとヴィジョンの関係の人間性が非常に掘り下げられていました。
主演2人の素晴らしい演技や、テレビを見たり、父母として色々なトラブルに巻き込まれたり、呑気な会話から2人の絆がよく伝わる。
ヴィジョンがこれまた面白い。
今までの作品以上にウェットに富んだ部分が多くなり、ポールベタニーの好演と丁寧な脚本により素晴らしいキャラに仕上がっていました。

ただ主演2人以外は何というか退屈なキャラばかりでした。他のキャラの悪巧みとかよりもワンダとヴィジョンの内面にもっと迫ってほしかったです。
MCUはヒーローに迫っていくのは上手いんだけどその分悪役の魅力が削がれがちで、今作も御多分に洩れずしょっぱいヴィランでした。
つまらない動機でどうでもいいことをずっとしてた印象です。

また徐々に「キャラの物語を描く」ことと「世界観を広げる」ことが乖離し始めている気がします。

ドラマというジャンルを利用して沢山のストーリーを描こうとしたのは良いのですが、いかんせん登場キャラとストーリーラインをまとめきれていなかった印象です。

全体的にゴチャゴチャしてたし風呂敷を広げまくった割には大事なとこ以外の畳み方は雑でした。

文句はあれども、まあ全体的にはいつも通り楽しめました。毎週毎週興奮させてもらいましたし、2ヶ月がこれほど短く感じるのも人生初めてです。
こんなレベルのドラマがあと2本も待ち構えているという事実
遅れましたがMCU、今年も一年よろしくお願いします。

以下EP毎の興奮した理由↓各EP配点
1話&2話:配信開始 3.9
3話:物語起動開始 3.6
4話:脇役アッセンブル 3.7
5話:"アレ" 3.8
6話:"アレ"の続き 3.8
7話:ここだけ気持ち複雑 3.7
8話:三つ巴展開 4.0
9話:もう、色々。 3.9

平均点と点数が合わないのは一本のドラマとして見た時の完成度で全体の配点を付けてるからです。
毎話毎話のハイライトと全体の雰囲気は良いものの脚本が大味