九月

ワンダヴィジョンの九月のレビュー・感想・評価

ワンダヴィジョン(2021年製作のドラマ)
5.0
見終えたあと苦しい気持ちでいっぱいに。

アベンジャーズの中のワンダはいつも悲しみや怒りに満ちているように見えて、他のメンバーとも衝突してばかり。
そんな彼女が、サノスとの戦いで失ったはずのヴィジョンと新婚生活を始め、とても幸せそうにしている。そう見える序盤は、少し違和感を覚えつつも、シットコム調の作りと、他の人間たちと微妙に噛み合わない夫婦の可笑しさを楽しんだ。

放送局らしき場所が映し出され、これはあくまでドラマで、ヴィジョンと幸せに暮らしたいワンダの願望でしかないのか…?
映画では、あまりにもあっけなくヴィジョンがいなくなってしまったので、もし生き残っていたらこういう世界線もあったかもしれないな…程度の気持ちで見ていたのが一変、
映像がカラーになった三話あたりから急に不穏な空気が漂い始める。

途中で映像が乱れたり、隣人が何やら隠し事をしている様子だったり、不明点が募る中、
ワンダが住むウエストビューの外には捜査部隊が敷かれ、そこには、ソーに登場する天文物理学者のダーシー、アントマンシリーズでFBI捜査官として活躍するウーなど馴染みの顔も見られる。
加えて、『キャプテン・マーベル』のキャロルの親友マリア・ランボーの娘であるモニカ・ランボーも、大人になった姿で登場。
彼らは、本来協力し合うはずのヘイワード長官と対立し、独自にワンダや周辺のことを調べ始めるが…

横暴なヘイワードの狙いや、ワンダの過去、シットコムとワンダの思い出、ヴィジョンが復活した訳などなど、最後まで見て多くのことが明らかに。
エリザベス・オルセンの双子の姉がシットコム『フルハウス』に出演していたことや、エリザベス・オルセン同様ワンダ自身やワンダの子どもたちが双子であること、ニセのピエトロを演じたのがX-MENシリーズのクイックシルバー役のエヴァン・ピーターズであることなど、
散りばめられている要素も多く、拾いきれていないことばかりだと思う。

見進めていっても、物語の着地点が全く分からない展開で、でも最後はこんなに悲しくて寂しい気持ちになるなんてびっくり。
とにかくエリザベス・オルセンが可愛くて可愛くて仕方なかったけれど、ワンダの幸せを願わずにはいられない。
九月

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