このレビューはネタバレを含みます
いくえみ綾原作の本作品は、同じくいくえみ綾原作の不倫作品『あなたのことはそれほど』で主演した波留とその不倫相手を演じた鈴木伸之も出演するという事でどのような作品になっていくのだろうと気になった。
バイオリン教室に通う世代の違う三人の男女の友情が描かれている。今回の波留は、結婚まじかに彼氏に破局され、失意に満ちた中、憂さ晴らしのためにバイオリンを習い始める。結婚前に破局されるという展開は、同じく波留が主演したドラマ『サバイバル・ウェディング』に似ている部分がある。
そして大学生の中川大志と主婦業に少々疲れを感じている松下由樹が加わり、三人の日常が描写される。
今回鈴木伸之は主役ではなく、中川大志の兄という役どころ。結婚しており子供もいる。基本的には波留とは挨拶程度の絡みしかない。一度歩きながらお話をする場面があるが、本当に挨拶程度なので、『あなたのことはそれほど』のように不倫になる事はない。おそらく、この場面を見てあのドラマのファンだった人は、そのギャップについていけなかった事だろう。私もそうだった。
今回の作品は、いくえみ綾の作品としては、あまりドロドロ感がなく、どちらかといえばスッキリした展開であった。やや『カルテット』的な部分もあったりはするが、サスペンスではなく、ヒューマンドラマである。
波留と中川大志は恋仲にならないでほしいと願っていたが、その悪い予感は的中し、クライマックスでは恋人同士となる。
しかし、不思議な事にこの嫌な展開であったのにも関わらず、意外と受け入れる事が出来た。全然嫌な感じもせず、むしろこのほうがよかったと感じたほどだ。それにしても、中川大志はどんだけ年上好きなんだよ（笑）序盤ではバイオリンの先生の桜井ユキに惚れていたぞ（笑）
みんなが幸せになって終わる良質な作品であった。
