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その街のこどものmendeのレビュー・感想・評価

その街のこども(2010年製作のドラマ)
4.5
阪神淡路大震災から15年を迎える日の前日、子供の時に被災した二人の男女が神戸の街を歩く。設定を聞いた時は真面目そうだけど面白くなさそうと思ってしまったが、とんでもなかった。
渡辺あや、さすがである。
森山未來と佐藤江梨子は、放送当時の実年齢の役を演じていて、ふたりとも被災経験があるそうだ。カメラも終始手持ちで、まるでドキュメンタリーのようにリアリティがある。
小学生や中学生で被災し、子どもの柔らかい心が負った傷の深さ、子どもだからうまく対処できずに反対に人を傷つけてしまう悲しさ。大人だってもちろん辛いが、子どもはより影響が大きいのかもしれない。災害がいかに人の心まで傷つけてしまうか、忘れないようにしたい。

森山未來が勤める会社で、ビル設計をしているがコストカットのために地震のための備えを削られてしまうシーンがある。不況だから仕方ないと、上司にいわれるのがやるせない。当時より今の方が、より経済状況は悪いのも恐ろしい気がする。

あの震災からもう25年がたち、東日本大震災のように別の大きな災害も起こってしまった。これからもきっと別の災害が起こるだろう。
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