たむ

ウォッチメンのたむのレビュー・感想・評価

ウォッチメン(2019年製作のドラマ)
4.0
HBOがドラマ化した『ウォッチメン』の再解釈バージョンです。
ザック・スナイダー監督の映画版もヴィジュアルのインパクトはなかなかのものでした。
しかし伝説的なコミックの実写化であり内容が超エッジなSFもの。
パラレルワールドでも人間が行う愚かな行為は変わらないわけです。
ベトナム戦争には勝利して、ロバート・レッドフォード大統領というアメリカ。
しかし根源的な人種差別は同じで、KKKも存在しており、暴力も虐殺も存在します。

奇怪な動きをするオジマンディアスをジェレミー・アイアンズさんが怪演していましが、とんでもないことばかりしています。
しかしほぼ訳がわからない。
このドラマも回想やトラウマが出てくることがありますが、観客という存在を無視して、劇中の常識は常識として進みます。
難解というより行間を読む事が大変です。
このアートと難解な構成はラストの2話で結びついていき、あぁ!となります。
非常に評価が高くアメコミ原作のためアクション的なものを求めると、全く違うものが出されてきます。
私はこの深淵な作品の全てを味わい尽くせたかと言われれば、おそらく出来ていないでしょう。
凄まじい映像世界。
変なドラマであるのですが、変で片付けられないパラレルワールドの人類史ですね。
たむ

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