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医師ヨハンのsoopenのレビュー・感想・評価

医師ヨハン(2019年製作のドラマ)
3.9
ペインクリニックの天才医師ヨハン。
Dr.ハウス?日本ではDr.G?
本人にも分からない、痛みの事情を抱えた待ったなしの患者が駆け込む最後の砦、それがヨハンの勤めるペインクリニック。

殺人犯を安楽死させた医師、として裁かれ3年の禁固刑を終え、是非にと言われて雇われた先のこの病院で、出会った仲間達と力を合わせて、患者の病名を解明させ、苦痛を和らげる最適の治療は何か?を懸命に考える。安楽死(尊厳死)について、医師も患者も最期までもがいて苦しんで、結論を出さなければならない、安易に死を選択してはならない、と考えるヨハンもまた、いつ死んでもおかしくない難病の持ち主だった…

毎回登場する難病患者の病名推理は、ミステリー仕立てで、ドキドキしながら楽しめたし、安楽死という避けて通れない重いテーマを真摯な姿勢で描いていて、ヨハンというキャクターの魅力を存分に引き出した脚本だと思いました。特に品のある優しい陰のある男性を演じさせたら、右に出る者はいないチソンを主演にしたのも効果は大きかったと思います。

最初の数話でラブストーリーの兆しが見えた時には、この話にロマンスは必要か?と思ったものの、あまりにも孤独な人生を生きてきたヨハンには救いが必要だったんだなと納得。しかしラストの展開がやや曖昧に終わったので、最後の最後に消化不良に陥りました。

更に感じたこと。

韓国の電子化が日本より進んでいるのは、住民登録証によって一人一人が国家に管理されているからだと思いますが、そのお陰で享受出来ることもある。このドラマでは、病気の既往歴全てが、どこの病院でもデータ共有化されているのに感心しました。日本ではプライバシー論争でなかなか進まないマイナンバーカードですが、まずは登録して医療記録だけでも日本全国で情報を共有して欲しいです。そうすれば無駄な治療や投薬がなくなるし、二重の検査で患者への負担がかかるなんてことも無くなるでしょう。お薬手帳を持ち歩く必要もない。
まずは医療から、日本の政府も言っていましたが、このドラマを見せれば、さらにその考えを強く持つでしょう。
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