あちぴろ

医師ヨハンのあちぴろのレビュー・感想・評価

医師ヨハン(2019年製作のドラマ)
3.8
「尊厳死」、「安楽死」。

治ることの無い病を抱えた人の「生」と「死」をペインクリニック病棟の天才医師ヨハン(チソン)や後輩医師たちが、難病で痛みに耐える患者たちと向き合っていく。

その特殊な病気にそんなのあるの?と感じた。
無痛無汗症、鼻の中に出来た腫瘍により右半分が腫れ上がってしまう病気、ベトナム戦争時代に患った30年越しの病など、痛みに耐える患者たちを支えながら解決していく。が、尊厳死というものに対する反対の意見が大きく取り上げられていた様に思う。

ワタシの母親も膵臓がんを患い、余命宣告された時、母に「抗がん剤治療はしない」と言われ、ホスピスで迫り来る死を迎えることになった。
じわじわと痩せ細っていく母親を見るのは辛かった。
こんなに痛いなら早く死にたい。
と言う言葉を聞くたびに弱気になったらあかんとか言うたけど、本人にとっては耐え難い痛みだったんだろうと思う。ホスピスの方達はそんな母親を甲斐甲斐しく看護してくださって大変感謝した。


法も医療も時代にあった価値観を見つけるべき。


末期がん患者の要望により、安楽死させたことで、実刑を食らったヨハンを出所後も、執拗に追い込む検事ソン・ソッキ(イ・ギュヒョン)。
後にヨハンの患者に対する態度を知り、徐々に打ち解けるものの、序盤から鬱陶しいくらいにつきまとうこの演技はいやらしさが際立ってた。「刑務所のルールブック」のハニャンの真逆の演技。この人上手いなぁ。

脳死状態の父親を持つカン・シヨン(イ・セヨン)との恋人関係に発展とかはなくてもよかったかなぁとは感じる。

人の死に対する考え方、社会の在り方、医者ができることなどテーマはなかなか重いけど、暗くさせずにサラッと進んで観やすかった。

ただ、都合良く体調悪くなったり突然全力疾走できたりというのはやや引っかかったかなぁ笑



(2022/6/5〜6/30)
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