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同期のサクラのMrPublicのレビュー・感想・評価

同期のサクラ(2019年製作のドラマ)
4.7
最終回を終えたので改めて感想を書きます。
何を書いてもネタバレな気がするので物凄く具体を削ってます笑

伝えたい事、見せたい物がテレビドラマだからこそとてもシンプルで分かりやすく、それでいて一貫していました。
おそらくこのドラマで描かれたのは自我、夢、仲間、それを持った本当の大人だと思います。

10話、10年間のサクラを中心とした同期の仲間達の姿がとてもリアルでした。皆んなそれぞれ働く前からやりたいとうっすら思っていた事があったり途中で気づいた事がありました。それを固めて夢として皆それぞれ自分の道を歩こうと決める、そこにサクラの影響は確かにありましたが振り返って思い出すと皆自分の道はちゃんと自分で決めていて、そこがサクラ絶対のドラマじゃなく群像劇のように感じた要因だと思いました。

前半の回はサクラや同期の仲間一人一人にスポットを当てた回でした。
職場内で塞ぎ込んだりイジメにあったり、真剣に仕事や自分に向き合わずに逃げようとしている仲間にサクラが喝を入れていく話でしたが、そのやり方や展開があまり安直でなくサクラが身を以て示していたため共感しました。
同期の皆んなのその後の成長や考え方に影響する部分を分かりやすく見せてくれます。

後半はサクラを中心とした回です。前半でもサクラが皆んなに影響を与えていたと同時にサクラも徐々に変わっていきましたが、後半はサクラが変わろうとしたり思い悩んだりするのを既に先へ進もうとしている同時の仲間が助けていく話でした。前半でサクラが示した事が全部サクラに返ってきたと思います。
そしてサクラもまた、最後は自分で自分の道を見つけました。

忖度できないサクラは最初まるでロボットみたいに見えますが、見続けていくと全く違います。
サクラは1話から幾度となく大人になれと言われそれに悩み続けますが、本当に大人になるとは何なんだろうと観ていて思いました。

自分の意見を言わずただ従うのではなく、自分の意見は、夢はしっかり持って時にはそれを貫く事、それと同時に信じ合える仲間を持ちその仲間を思いやる事が大切なんだと。
人は一人では生きられないから仲間がいる。
自分の思いをぶつける事と相手を思いやる気持ちを両方強く持つ。
自我が無い訳ではなく、自分本位な訳でもない。
それが本当に大人になるという事だとこのドラマでは描かれていると感じました。

最後は皆んなそれぞれの道を歩いていき、その先でまた新しい仲間を見つける。
この5人はきっかけだし特別だけど、これから先もこの人達は進んでいくんだなと思いました。

20代前半の今このドラマを見れたのが良かったです。
3年前ならここまで考えたり共感したりしなかったと思うし、もっと先でもまた違ったと思います。
今の自分の環境や考え方や、そうしたものにハマったからこそここまで好きになったのかもしれません。
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