ろ

恋愛体質~30歳になれば大丈夫のろのレビュー・感想・評価

5.0

「私たちは今日もおいしくしゃべって、おいしく食べて、おいしく愛し合う」

「恋愛体質 30歳になれば大丈夫」
なんてざっくりしたタイトルなんだろう。番組表を見ながら思わず吹き出し、即録画予約した。
試しに1話見てみるかと軽い気持ちで見始めたのに結局ずぶずぶにハマって、泣いて笑ってとにかく励まされるドラマだった。
ものすごく深遠なセリフを放つ魅力的なキャラクターたち。
あ~いいな、やばいめちゃいいセリフだとため息を吐きながら、携帯でメモを取った。どこまでスクロールしたら終わるんだこのメモ、と我ながら呆れて笑っちゃうほど。もはや師匠、大好きな師匠のようなドラマだった。

「誰かを愛するってチャンスなんです。チャンスを逃したら当然つらい。骨がきしむくらい」

深夜に食べるラーメンと恐怖の体重計。
粋な告白のシチュエーションとセリフについて。
好きな人の前でオナラできるか問題。
愛ってなんだろう。

「監督、付き合うってなんですか?」
「気持ちを分かち合って、他の人には渡さないようにすること。気持ちが揺らがないように・・・相手にそれを要求できるような・・・権利を持つこと」
「こういうときはシンプルに言った方がかっこいいですよ」
「じゃあ・・・すごく楽しいこと」

ドラマの脚本家を目指すジンジュとテレビドラマの監督ボムスの会話は「ジョンとメリー」のあの二人のように、言葉のやり取りが知的。
ジンジュの脚本が煮詰まったときは、公園を歩きながらこんな告白はどうかと告白し合ったり、監督の好物だという味の薄い冷麺を食べたり、つまらない映画を見たり、「デートすると太りますね」とこぼしながらチキンとビールを食べる。
二人の距離感や温度が心地良くて、そこへシャンプーの香りの歌(主題歌)が流れてくるともう頬がゆるっゆるになってしまう。

「時折、私がいる空間が自分の体より小さく感じる。その空間の大きさに合うよう体を砕き、苦しみながら詰め直す。そしてまたその空間の中でギリギリの呼吸をし、耐えていかなきゃいけない。あなたを覚えているために」

恋人を亡くしたウンジョンは(ジンジュの友人、ドキュメンタリー映画の監督)彼との思い出を辿る。とりあえずビール、彼の行きつけだったラーメン店、歩きながら話したこと。
ウンジョンのカウンセラーは、「心にしまった涙は病気を作り、流した涙はすぐに蒸発してなかったことになる。あなたは涙を外に出した。手放したんです」と寄り添う。

「自分のことは分からないものよ。自分を知ってると信じてる人には傷つかなきゃいけない出来事が待ってる。知ってました?私は恋愛で苦しんでるジェフンさんを見て、恋愛したいと思ったんです。それが・・・いいんです」

花束みたいに渡す長ネギ。
ジンジュのことが好きかと聞かれたボムスは「やたら俺を笑わせるんだ。やたら俺をいい人にするんだ」
トッポギにはネギが合うし、サムギョプサルにはセリがよく合う。

「恋愛を始めるとき、私たちはお互いのことをよく知らない。いい面も悪い面も徐々に知っていくが、いい面の方が多いとは限らない。その上、悪い面はインパクトが大きく、なおさら目についてしまう。失望するのは当然のながれ、妥協、決裂、妥協、決裂。それを繰り返すしかない。相手を知っていくことはハプニングの連続なのかも。恋愛は結局、ハプニングとの闘いなのだ」

「苦しむ選択をしないで。好きな人と離れたままでいるのはやめるの。立場の違いも気にしないで。愛が続くかどうかは大した問題じゃないわ。一生愛するつもりでいても体がついていかないから。迷ってる暇なんてないわよ」

「知ってるか?若いときは無知で迷い、今は無知なふりをして迷う」
「そうね、一生知らんぷりしましょ。その方が若く見える」

答えなんか出ないけど、でも今はそれでいいよね、よしラーメン食べよう。そうやって毎日が過ぎていく。
赤裸々で等身大で、自分の心に素直であり続けようとする三人のドラマは、私たちのドラマだった。

「宇宙がなぜ広いか知ってる?私たちの場所が1つずつ用意されてるの。惑星には永遠にいられないから。決められた時間が来たらその場所に行くよ。そこで会おう、私たち」