このレビューはネタバレを含みます
あらすじ8⃣︰イシ間【でんでん】がシ村【松岡昌宏】から受け取った書類に，『任期満了に伴って，４９日以内に成仏する』と書かれていた❢❢。唐突千万なことに＆唐突なことに動搖する最中で，他殺課にやってきたのは，絵本を抱えた少女・小野田凜【佐々木みゆ】❢❢。凜は，シ村に『いつもお母さんを怒らせてばかりで，凜はパラダイスには行けないかも＆パライソには行けないかも＆天國には行けないかも』と言うが，保育士・黒川あかね【吉田志織】に羨望の眼差しを＆憧れの眼差しを向けていた生前の凜は，保育園の園児たちに読み聞かせをする心根が優しい少女だった……。保育士・あかねは，凜の異変に氣付く❢❢。不潔な身形＆不審な傷＆肝心な母親は何時まで経っても，保育園に迎えに來ない……。母親である，小野田瞳【前田亜季】の虐待を勘繰り始める＆虐待を疑い始める❢❢。凜は『お母さんは，優しいんだよ❢❢』の一点張り，実際は絵本を読めば五月蠅いと怒鳴られて＆うるさいと怒鳴られて，ベランダに締め出され叩かれるなど，酷い虐待を受けて……。虐待する母親をただ直向きに＆ただ只管に愛する心根が優しすぎる少女❢❢。❝愛情❞は真実か＆偽物か，それとも合理的なのか……。
あらすじ9⃣︰『加護の会に入信されていましたか？？』シ村【松岡昌宏】は，死役所ロビー近く❝交通事故死課❞にいた寺井脩斗【柄本時生】に話しかける❢❢。両指で輪を作る独特の仕草は，宗教法人『加護の会』信者である，何よりの証拠❢❢。しかしながら，シ村が何故にそれを識ってるのか……。シ村の脳裏には，幸せそうに微笑む妻＆幸せそうに微笑う妻・市村幸子【安達祐実】の顏が走馬灯の如く浮かんでは消える……。そんなある日，寺井はお祖母さんに誘われ，加護の会の教祖樣こと︰蓮田榮山【吹越満】の講演会に參加❢❢。『❶あるがままの貴方を愛する＆❷ありのままの貴方を愛する』と謂れる蓮田の言葉は，高学歷の弟・寺井恭平【濱田龍臣】と比較されるコンプレックスの塊を持つ＆比較される劣等感の塊を持つ寺井の❝精神的苦痛❞を徐々に解きほぐしていく❢❢。自分自身を受け入れてくれる信者たちの優しさの折に触れながら，悶々と悩み続けていた寺井にとって，次第に地位も名誉も關係ない加護の会が幸せな安らぎの居場所となる❢❢。やがてすべて，寺井は就職も家族も何もかも全部かなぐり捨てて＆私財をなげうって，加護の会に入信する❢❢。
あらすじ1⃣0⃣：イシ間【でんでん】が，小野田凛【佐々木みゆ】と成仏する日を迎える＆神上がりする日を迎える❢❢。凛を見つめるシ村【松岡昌宏】は，まるで年頃の娘である，美幸【松本笑花】の❶姿をダブらせているかのようだった＆❷姿を重ねているかのようだった❢❢。シ村の妻である，幸子【安達祐実】は，朝・晝・晚の料理を一切口にせず，何を言っても絵の具しか食べない美幸に焦っていた❢❢。医者からは，❝このままでは，死ぬかもしれない❞と言われたという❢❢。そんな最中で＆そんな折，幸子は真心を解放してくれるという『加護の会』のチラシを鄰り近所で貰う❢❢。美幸の病氣が治るかもしれない……。藁にもすがる想いで行ってみると，教祖樣である蓮田榮山【吹越満】からは『❶あるがままをそっくりそのまま受け入れるのです＆❷ありのままを，そっくりそのまま受け入れるのです❢❢』と教わる❢❢。しかしながら，その後も美幸の症狀は変わらない❢❢。このままでは美幸が死んでしまう，全て私のせい……。自分自身を責め続けた幸子は，そんなある日，美幸を連れて忽然と姿を消してしまう❢❢。『加護の会へ，行ってきます❢❢』の，書き置きだけを殘して…………。
