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死役所のkumoのレビュー・感想・評価

死役所(2019年製作のドラマ)
3.3
死んでしまったら絶対に生きてる人間とは会えないし話せない。そんな当たり前のことが沁みてきて、生きることや死ぬことについて考えさせられる。それぞれの生があってそれぞれの死がある。死を覚悟して、周りの人にもそれを伝えて最期まで大切な相方と自分のやりたいことをやり悔いなく死んだ芸人さんが速やかに手続きを終えて死役所を去っていったのが印象的だった。彼のように自分の死にちゃんと向き合って思い残すことなく現世を去る人生でありたいと思った。ドラマではこの芸人さんのケースは特殊で、ほとんどの人は現世に気持ちを残したまま亡くなっている。個人的には死んだ後のエピソードが気になって、どうにか死者の本心を知ってもらえないかと思ってしまうけど、それはほぼほぼ叶わない。それもまたこの世の理ということか。描かれていない、明かされていない部分も多く想像で補うしかないので少しモヤモヤする部分はあるけど、死役所とはそういう場所なのかもしれない。
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