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アンビリーバブル たった1つの真実のShinMakitaのレビュー・感想・評価

4.2
2008年ワシントン州リンウッド、オークデール地区。
マリー・アドラーは18歳の少女。自立支援施設に入居している。ある夜の就寝中、一人暮らしの部屋に押し入った覆面男に襲われレイプされた。彼女は実の両親から離れて里親を転々としてきた問題児。事件直後も冷静に通報し、警官への陳述も淡々としている。その様子から、連絡を受けた養母も友人も、レイプはマリーの狂言ではと疑い始めた。担当刑事はそれを受けて、事件は実際には起きていないと断定する。捜査は打ち切られ、周囲に嘘つきとなじられたマリーは孤立してしまうのだった。

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2011年コロラド州ゴールデン、ブラックヒル。
22歳の白人女子大生アンバーがレイプ被害を通報した。捜査担当になった所轄署刑事カレン・デュバルは、4時間もレイプされ続けたアンバーの心に寄り添い、優しく聴取をおこなう。犯人は覆面に手袋で、アンバーのリボンで縛りあげてからゴムをつけて挿入していた。陰毛も剃っており、事後シーツも持ち去ってアンバーに入浴を指示する物的証拠を一切残さない手口だ。しかも裸をピンクのデジカメで写すという卑劣な行為もしていた。怒りを覚えながら聞き込みを続け、夫マックスと子の待つ自宅に帰ったカレンは、マックスからある情報を得る。

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コロラド州ウエストミンスター。マックスが勤務する所轄署の刑事グレース・ラスムッセンは、1ヶ月前に起きたレイプ事件を捜査していた。カレンは夫からそのことを聞き、アンバー事件との類似点を探るためグレースに会いにいく。グレースの事件の被害者は50代の黒人女性。被害者像は異なるが、証拠を残さない徹底した手口、時間をかけた挿入、入浴指示など似ている点は多い。しかも犯人は、被害者宅からピンクのデジカメを盗んでいた。カレンとグレースは、2件を同一犯とみなし、合同捜査をおこなうことに…





「アンビリーバブル たった1つの真実」


一生消えない傷を負ったのに、誰にも信じてもらえない…苦しみを背負った少女の哀しい物語と、タイプも勤務先も違う2人の女刑事が執念で捜査する物語が並行して描かれるミニシリーズです。


いやあ、正月からヘビーなドラマ見ちゃいました。しかし、素晴らしいです。ほんと、ぜひ観るべき。レイプが凄く身近に感じます…悪い意味で。被害を受けた女性がどう扱われ、どんな地獄に落とされるのか。もし家族や恋人が被害に遭ったらどう感じるか。ずーっと考えこんでしまう内容です。まさに実話の重み。だけじゃなく、バディものとしてのクオリティも高いので刑事ドラマ好きも納得。家庭を大事にするママタイプで信心深いカレンと、タフで皮肉屋のグレース。最初はソリが合わない2人だけど、類似事件洗い出しで電話かけまくる3話のシンクロ具合はアガりましたねー。次第に明らかになる犯人像…いわゆるセカンドレイプの卑劣さも含め、観てるこっちの怒りがブチ上がること必至。断言しますが、大傑作です。もうこれ「トゥルー・ディテクティブ4」と呼んでもいいよ!
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