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アンビリーバブル たった1つの真実のGreenTのレビュー・感想・評価

3.5
これ面白い!掘り出し物でした!!

第一話は、レイプされたマリーというティーンの女の子の捜査過程がとても非人間的なことや、周りからの扱われ方など「セカンドレイプだなあ~」と思わせられるのですが、第二話から出てくるカレン・デュバル(メリット・ウェヴァー)っていう女刑事がすっごくいい!!

体格も良く、服装も安っぽく、髪もボサボサで、なんつーか、「刑事コロンボ」みたいな「疲れた刑事」感がリアル過ぎる(笑)。むか~し、シャーリーズ・セロンが、刑事だか警官を演じていた『スタンドアップ』って映画を観た時に、モデルのように痩せて美しいシャーリーズが田舎の女警官ってのに全くリアリティを見いだせなかったことを思い出した。

だけどカレンはやっぱり女性だからか、レイプ被害者に対する思いやりが見えるのがまた良い!

第二話の終わりから、トニ・コレットが演じるグレース・ラスムッセンって刑事も出てくるんだけど、こちらはダーティ・ハリーの女版?私『ダーティ・ハリー』ってちゃんと観たことないのでイメージのみだけど。第二話のラストに出てくるんですけど、「カッケー~!」って盛り上がった。トニ・コレットって、面長だからスレンダーに見えるけど、ジーンズがムチムチしている感じが、これまたリアリティがあって良い!

グレースの同僚ももう皺だらけのおばさんで、インターンとして警察で働いている若い男の子に指導していたり、女性の刑事が熟練、古株みたいな、こういうの演じてサマになる女の人がたくさん出てきたなあって感心した。

話もとても面白くて、いわゆる「レイプもの」、被害者の辛さを訴えたり~、みたいのだったらつまんねーなと思ってたんだけど、レイプの捜査ってこんななんだ!っていうのも面白いし、あと、女性がレイプされた!と虚偽の訴えをすることとか、どこまでが虚偽なのか、とか、捜査する方が女性だっていう新鮮さとか、すごい面白い。あ、あと、レイプの被害者が必ずしも若くてきれいな女性ではなく、すごく太った女の人や50歳とか70歳のおばさんなのも真実味がある。

なんだけど、「女性ならではの葛藤」に焦点を当てているってわけじゃなくて、女性警官を中心に、刑事同志とか警察内の部下との関係とかをフツ~に描いている、その淡々とした感じが良い!

ミニ・シリーズなので8話完結なのですが、まだ4話までしか観ていないので、後半が楽しみ!今夜全部観ちゃうだろうなあ~

後半も面白かったけど、この先はネタバレになるのでご注意ください。

原題 "Unbelievable" なので、どんな「あんびりばぼー」などんでん返しがあるのかと期待していたが、犯人は、捜査に色々障害があったがすんなり捕まり、マリーがレイプされたことは虚偽ではなかったということが、犯人の撮った写真で証明される。

第7話の終わり、マリーがカウンセラーに「これからもウソをつき続ける。真実を言っても、その真実がみんなに都合悪ければ信じてもらえないから」と言うところで終わっていて、「おお~!すごい終わり方!」と思っていたら、もう一話残っていることに気が付き、「これ以上何を語るのだろう?」と思った。

ちなみに、マリーのカウンセラーは、『羊たちの沈黙』で誘拐される女の子の役を演っていたブルック・スミスだった!この人声にドスが効いているからすぐわかる(笑)

この映画の原作は小説だと思ってたんだけど、 "An Unbelievable Story of Rape" という取材記事なんだって。なので、「あんびりばぼー」なのはどんでん返しなのではなく、マリーの証言をウソだと決めつけ、ちゃんと調べれば犯人を特定できたにも関わらずなにも努力をしなかったアメリカの警察、司法が「あんびりばぼー」ということらしい。

最近では「ホワイトウォッシュ」と言って、「このストーリーは実話に基づいています」と言う時、実際は黒人やアジア人が主要人物なのに、白人のキャストに置き換えられていることが問題になっているので、このお話も「レイプの話だからって、刑事を女性に置き換えるのは問題にならないのかなあ~」と思っていたら、なななんと実話の刑事も本当に女性なのだ!

レイプの話だから、女性目線で語る、女性刑事が捜査するっていうのは、演出としてすごく面白いなあって思ってたんだけど、ウィキで元になった記事を読むと、ほとんどドラマ化されてなくて、記述通りみたいなんだよね。

こんなドラマ的な状況がほとんど実際に起こったとは!

最後、マリーが事件を捜査し、マリーのレイプが虚偽ではないことを証明してくれた女性刑事に電話をかけて「ありがとう」って言うところで終わっていて、「陳腐だなあ」って思う人もあるかもしれないけど、私は素直に感動した。マリーは、自分が正しかったことが証明されたとか、訴訟で和解してお金を貰ったことより、「正義を信じて私たちのために仕事をしてくれている人がいるって知れたことが一番嬉しかった」って言うんだけど、現代のアメリカに生きていると、この言葉は身に染みる。

だって警察なんて「一生懸命やっているけど、犯人は捕まらないんだ」って言うことだってできるもんね。一緒に働いているアメリカ人たちを見ていると、もっとできることあるのに、面倒くさいことは「できない」と言ってうっちゃること多いからなあ。警察とか政治家とか、公の安全を守る立場にいる人は高潔な精神を持っていて欲しいなと思うもん。