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エミリー、パリへ行く シーズン1のdeiのレビュー・感想・評価

1.1
これが今時の象徴として語られるの?それは悪い意味ではなくて?なんだかこのドラマ、何から何まで残念。以下、老害の感想。何かがあるたびにすぐに携帯を向けて恥ずかしげもなく写真を撮る向こう見ずな若い女の子がTPOを弁えずに猪突猛進するというだけの印象だった。有名デザイナーに会うにも安っぽいチャームをつけていたりパリの街並みで浮くようなピンクのミニスカでお腹を出していたりする。しまいには上司にSNSのアカウント削除を求められてから「SNSの無いパリなんてありえない!」の一言。この子は風景を通して見ているのは画面の中にあるハートマークの数なんだろうか?もちろん彼女がマーケティング担当だということも分かってる、それにしてもあまりに酷い。自由さと個性とはまた別の話だと思う、何から何まで自己表現とみなして全てが素晴らしいと言ってしまうのはある意味での断絶では?素敵なロケーションの中で浅はかな若い女の子が見せ物になってるようにすら見えてくる。SNS無くして語ることのできない現代だからこそ、それを描くことにもっときちんと目を向けたい。面白おかしく書いてはいるけど友人が預かっている子供の写真をSNSにアップロードしたりいくら約束を守らなかったとはいえパーティを抜け出してホテルでセックスしていた女優の部屋の散らかしたドレスを写真に撮る、そんなのはまるでマーケティングやSNSを扱う人間のやることではないし、それを若く煌びやかなパッケージでこんな風にドラマにしてしまうこと、リテラシーとしても最悪。全て偶然に思えても、部屋に脱ぎ散らかしたように見せてしっかりと作り込まれた写真を見せる、そういうことこそがファッションのグラフィックや広告だと思う。SNSだったとしても。
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