空前の尾高さんフィーバー(日テレ1月期ドラマ・知らなくていいコト)の裏で、NHKが同じく柄本佑主演でこんな素晴らしいドラマを作っていたんですよ。
阪神淡路大震災で、自らも被災しながら被災者の心の傷と真摯に向き合い続けた、実在の精神科医がモデルとなった作品。全4話でしたが、上質な長い映画を観ているようでした。実際、今度これを再編集したものが劇場公開されるそう。
終始静かで、淡々としていて、寒い冬の朝のように薄明るく清冽な空気が漂っている、その中で柄本佑が独特のトーンで丁寧に丁寧に言葉を紡いでいく。彼が奏でるジャズピアノが時折優しく響く。耳をすませて心をすませて、そうすると柄本佑演じる安先生の台詞がじわじわと身体中に染み渡っていく。
妻を演じた尾野真千子や兄を演じた森山直太朗、親友を演じた濱田岳など、周辺を固める登場人物たちも素晴らしかったです。
是非これからの寒い季節に観て欲しい作品です。震災が起きたのも1月で、きっとその空気感がとても意識されているような作品だと思ったので。