「X-File」のクリエイターが製作〜
という宣伝文句が当時使われていましたが、あちらが超常現象と宇宙人絡みの陰謀に立ち向かうFBI捜査官コンビが題材なのに対して、こちらは猟奇犯罪を特殊能力と頭脳で解決せんとする元・捜査官のお話。
そのクオリティはあちらに勝るとも劣らず、高い知能に反しおぞましく歪んだ精神を持った犯罪者達の思考を、
断片的な映像として捉える事ができる能力者である主人公・フランクの活躍を描いていますが、
特筆すべきはそのダークさとリアリティ。
質の高い犯罪捜査ドラマは昨今では珍しくありませんが、BONESやNCISの様にスペシャリスト達が集まったチームが軽快なやり取りを見せ明るく描写されるのに対し、
フランクの戦いは基本的に孤独。
「ミレニアム」と呼ばれる警察やFBIのOBで構成される組織には属しているものの、
他の構成員は一名を除き殆んど姿を見せず、また彼本人も冗談を口にしたりするタイプでも無い為、
物語はひたすらに陰鬱かつシリアスに展開していきます。
また、優れた分析・洞察力、先の特殊スキルを除いた彼のスペックは常人の範疇の為、できる事とできない事がハッキリしており、また相対する犯罪者達もただの人間である事から良く言えばリアル、悪く言えば地味な作風です。
しかし、異常な精神で残忍な犯行を繰り返す犯人達の描写は、それが「ただの人間」であるが故に恐ろしく、
フランクが見る彼等の心象風景を写し取ったビジョンは凄惨かつ印象的。
そんなこの世のものとは思えないものを目の当たりにしながらも、
ひたすら冷静かつ的確にプロファイリングを行い犯人を追い詰める主人公の強靭な精神力・メンタルのタフさは、
演じるランス・ヘンリクセンの地に足の着いた渋い演技もあって、他の作品には無い大きな魅力となっています!
シーズン1で一定の評価を得たものの、
続くシーズン2での製作側の体制変更で作風がX-fileの様な組織の陰謀モノに激変。
それが仇となったのか、シーズン3であえなく打ち切りとなってしまったのが残念ですが、マイナーながらも良クオリティの隠れた名作です。
尚、X-fileのシーズン7の1エピソード内に於いてフランクがゲスト出演。
今作品の「その後」が描かれていますので、気になった方は是非そちらもご視聴頂きたいですね。