ブレンダン

M 愛すべき人がいてのブレンダンのレビュー・感想・評価

M 愛すべき人がいて(2020年製作のドラマ)
1.0
冒頭のセリフ「あの日も海を見ていたな」で度肝を抜かれました。
主演の安斉かれんさんの本業は歌手なので棒読み、棒立ちの連続です。「まだ何者でもなかった浜崎あゆみを演じているから素人っぽい演技をしているのだ。」と考えようとしましたが、冒頭の台詞はスターになった時点なのでその可能性は低いです。歌唱力を披露する機会もほとんどないし損な役回りだと思う。
TRFの曲は使うけどグループ名は一文字ずつずらしてUSGに変更するという不思議なバランス。ELTもOTFになっています。
マサ専務は社長と対立しながらもダイヤの原石アユを見つけ出し平成の歌姫に育て上げるというのが大体のお話だと思いますが、アユのどこに魅力があったのか今のところ全くわかりません。視聴者としては「自分たちは浜崎あゆみの何に惹かれたのか?」「浜崎あゆみとは一体なんだったのか?」みたいなことに答えて欲しいのですが、どうやら答えてはくれなさそうです。
本人たちの認識がどうだったかはさておき、松浦さんと浜崎さんの関係は傍目から見れば「公私混同して恋人をプロデュースしたらまんまとヒットした」ように見えるので、美しく描くのなら二人の信頼関係とかバディ感が築かれる過程を丁寧に描いて納得させて欲しいです。
個人的には開き直って『ウルフオブウォールストリート』みたいな不道徳な成り上がり物語にしてくれた方が好みです。
田中みな実さんに触れないわけにもいきません。浜崎あゆみの自伝的小説を実写化する際に、実在しない眼帯をつけた謎の女性秘書を悪役に据えるという発想がそもそも狂っています。彼女の演技を面白がる風潮もありますが、それを狙ってる感じが垣間見えて好きではありません。
浜崎あゆみは間違いなくjpopの最重要人物の一人だし、女子高生のカリスマだったはずです。私は特にファンというわけではないですが、彼女の半生を描いたドラマが”珍品”として消費されるのは忍びないです。『アリー・スター誕生』とか『ボヘミアンラプソディ』とか『シングストリート』のような音楽の楽しさや栄光と挫折、葛藤が詰まった作品にも出来た筈なので残念です。