Joey

青天を衝けのJoeyのレビュー・感想・評価

青天を衝け(2021年製作のドラマ)
5.0
現在の国会議員の中に、民間企業での就労経験がある政治家は何人いるのだろうか。かなり割合は低いと思う。多分、二世、三世議員の方が多いだろう。政治家が職業になってしまっている。何の本職も持たずに、実りないディベートを繰り返し、マウントを取ることだけにエネルギーを使い、目の前の困難からは誰よりも早く逃げ去る。それが政治家だ。民間企業では使えない奴と分類されるのが政治家だ。国の将来ではなく、次の選挙のことだけを考えているのが政治家だ。

そんな政治家とは一線を画す渋沢栄一は経済人として次の時代を憂い、新しい国を作ってきた人。リーマンショックやトランプの圧政によって、金融界は悪の巣窟というイメージがついてしまったけど、本来、資本主義とは自由の象徴である筈。知恵を絞って役立つものを創造し、その対価を受け取る。そこには身分などなく、己の技量だけが試される。栄一が夢見て、そして作り上げてきた社会。だから、栄一はいつも熱く、頑強な責任感があって、全ての日本人に寄り添ってきた。政治家以上に政治してきた人だ。勿体なくて、一万円札は使えそうにない。

吉沢亮はよく走る。豪快に走る。でも頭の位置はそれほど上下動はしていなくて、それでいて太腿はしっかり上がっていて、疾走感が半端ない。こんなに感動する走りは初めて見た。この走りが渋沢栄一そのものを表現していると思う。老け役になってからは、そこが残念だったけど(メイクのことではありません)、最後は豪快に走ってくれて泣きそうになった。よく走った!

そう言えば、渋沢栄一は土方歳三とは接点があったようだけど、坂本龍馬との接点はなかったのだろうか。かなり、気が合ったような気はする。もしかしたら、脱藩して海援隊に加わって、龍馬と一緒に異国を旅していたかもしれない。
もし、龍馬が維新後も生きていたら、間違いなく接点は作られた筈だ。渋沢栄一、岩崎弥太郎、坂本龍馬の三つ巴で滅茶苦茶おかしれぇ国になっていただろうな。

これから何百年も大河ドラマのようなものは作られると思う。でも、前を向いて必死に走っているドラマは、幕末から明治にかけてを舞台にしたものだけになるような気がする。平成、令和なんて、下を向いてブツブツ言っているだけのドラマにしかならない。最後は、快なり!と叫んで、おかしれぇ〜のであ〜る、と締められるよう、今からでも頑張ろう! 新年の抱負でした。
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