てっちゃん

青天を衝けのてっちゃんのレビュー・感想・評価

青天を衝け(2021年製作のドラマ)
4.0
「日本資本主義の父」とも称される渋沢栄一を主人公に、幕末から昭和初期までを描いた大河ドラマ。徳川家康(北大路欣也)が語り部を務めるなど、新たな試みも多かった。

NHK大河ではなかなか描かれない(描きにくい?)明治以降をどう描写するかを楽しみにしていたドラマ。結果としては、やはり幕末までの比重が大きかったですが、武士視点ではない群像劇もなかなか面白かったです。(特筆すべきは、坂本龍馬が一切出てこないということ)

登場人物では、栄一の才覚を早くから認めていた徳川慶喜(草彅剛)の存在が圧倒的。最後の将軍だけでなく、敗軍の将としての彼の余生もしっかりと描かれていました。(もちろんフィクションではありますが)
その他にも、個性的すぎる、徳川斉昭(竹中直人)岩倉具視(山内圭哉)、大隈重信(大倉孝二)岩崎弥太郎(中村芝翫)、朝ドラからの連続配役での五代友厚(ディーン・フジオカ)など、キャスト陣が物語をかなり牽引したとも思えます。

勝者と敗者、栄光と挫折、理想と現実、民と官など様々な要素を絡め、ラストでは「で、今の日本はどうなってるんだ」と締めくくる。
これまでにない異色の大河ドラマでした。
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