ビオラ

ディア・マイ・フレンズのビオラのレビュー・感想・評価

ディア・マイ・フレンズ(2016年製作のドラマ)
4.0
70代俳優が中心の作品。面白かった。
「まぶしくて」でキム・ヘジャの演技に魅せられた。

ここでも彼女の魂のこもった演技が光る。
14話で認知症になり徘徊する彼女が、子供を亡くした時の怒りや哀しみを吐露する場面、ここは涙を禁じ得なかった。
裕福で天然なヒジャに隠されていた心の檻がぶちまけられ明らかになった瞬間、周囲の友人たちもまた色んなことに苦しんでいたのだったことがわかる。

ナンヒ親子の異常な密着度と喧嘩の激しさは、苦手だったが、この親子の関係性から、その依存度が普通ではなかったのだろうか。それとも韓国の親子は髪を引っ張り合いして喧嘩するの?だったら引く。

唯一、この輪に入らないが時々出てくるギジャの、口を開けば愚痴と避難を叫んでいるだけのセリフも嫌悪感。もしこんな友達がいたら、絶対呼ばないよ、と思う。

初めはスロースタートで少々退屈かと思ったけど、どんどん引き込まれていった。それぞれのキャラがどれも愛すべき存在になった。

ファッションもそれぞれの個性を表していて楽しい。裕福な奥様のヘジャはいつも高価そうな物、バリバリ店を回すナンヒはカジュアルなスタイル、独身でカフェを営むチュンナムさんのナチュラルで少し少女っぽいスタイル、一番好き。70代で違和感ないんだ。これ、ありだなぁ。

チュンナム演じる俳優さん、この前見た、「チャンシルさんには福が多いね」で、大家さんを演じてた人だ。全くイメージが違うけど、どっちも勉強してる。感じのいい俳優さんで好きになった。

ヒジャはまもなく友だちも分からなくなるだろう。ナンヒは再発するかもしれない。ジョンアンさん夫妻はたぶんすぐにまた喧嘩を始めるだろう。でも、この時間が心に刻まれて、それは永遠に幸せな時間になるに違いない。
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