なおき

このサイテーな世界の終わり シーズン1のなおきのレビュー・感想・評価

4.0
酒鬼薔薇聖斗数歩手前なサイコパス少年と中2病少女の逃避行を描く暗黒青春絵巻。
でも、その実は、ブラックコメディでありながら、爽やかなboy meets girlモノであるという不思議な逸品。


その出会いからして、サイテーで、二人のモノローグからして、「こいつ、殺れそう」
「この男とやりたい」
己の欲に忠実で節操なし。
二人に共通するのは、親と不和ということだ。
そんな二人が己の気の向くまま、風の向くまま、なんとなく、親の車かっぱらって、逃避行。
『ナチュラル・ボーン・キラーズ』やら『地獄の逃避行』とかと違い、深刻さまるでなしの二人だけの反抗が軽快にはじまる。

そんな話だから、いろいろと間が抜けていて、サイコパスやら中2病やら取り繕っていても、展開が進むごとにこの二人の人間性が露呈。 
へたれだったり、そんなに性的にでもなかったりする。
でも、それがきっかけで、お互いを理解し合うようになり、現状把握して、逃避行を続行したりする。


こちらとしては、サイテーな出会いをしたサイコパスと中2病少女がお互い理解していく姿を見るだけで感動的で、己の過去に振り返りつつ、警察にも追われているこの状況を打破しようともがくさまにハラハラする。
最初は、軽快だったのに段々と『俺たちに明日はない』のようにエスカレートしていき、警察沙汰になっていくのだから。


それはそうと、女刑事の片方、どっかで見たことあるなあと思ったら、『ゲーム・オブ・スローンズ』のシオンの姉だった。
この二人の末路もそうだが、シオンの姉のほうもどうなったか、わたし、気になります!
なおき

なおき