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コタキ兄弟と四苦八苦のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

コタキ兄弟と四苦八苦(2020年製作のドラマ)
4.7
兄・一路(いちろう)(古舘寛治)は、予備校の英語教師だったが、現在は無職でつつましい暮らしをしている。楽しみと言えば喫茶シャバダバに通うこと。可愛いアルバイト店員のさっちゃん(芳根京子)に話しかけようと試みるが、いつもうまく行かず空振りに終わっている。そんなある日、兄の家に、突然転がり込んできた弟・二路(じろう)(滝藤賢一)。兄弟の再会は8年ぶりで、兄が弟に勘当を言い渡して以来のことだ。突然の来訪をいぶかる兄だが、弟が来る直前に事故を起こしていたことを知り、慌てて現場へ向かう。そこで出会った被害者の男・ムラタ(宮藤官九郎)から、自分の代わりに待ち合わせ場所へ行ってほしいと頼まれる。待ち合わせ場所に現れた女を見て、兄弟は絶句する。その女は、服が血まみれで片目を押さえていた。鈴木静子(市川実日子)は、コタキ兄弟に「DV夫と離婚するために、保証人になって欲しい」と頼む。この依頼をきっかけに、様々な苦を抱えた依頼人と向き合っていく。
父がちゃらんぽらんで、その反発から杓子定規な常識人として趣味もなしに生きてきたが塾講師を辞めて以来、行きつけの喫茶シャバダバに入りびたっている一路。ちゃらんぽらんな父に似てるけど、そんな父に反発して妻と娘にだけは忠実でいる二路。
同性の恋人との恋を恋人の親に引き裂かれた過去を持つ喫茶シャバダバの看板娘五月(芳根京子)。オトナになりきれない2人のオヤジが、レンタルおやじの仕事で出会う依頼人も、DV夫と離婚するために保証人を依頼する女性や結婚式直前に花婿に逃げられ親戚のフリをして結婚式に参加を依頼する女性や人間関係に疲れ果て「植物になりたい」と引きこもる女性など、常識や世間の価値観で測れないクセ者ばかり。
そんなクセ者の依頼人の依頼をコタキ兄弟がこなす中で、依頼人の苦が救われ、コタキ兄弟もオトナになっていくユルイ人情ドラマ。世間の価値観で救われない依頼人と向き合う中で、杓子定規な価値観がユルくなっていく一路。ちゃらんぽらんで主夫をやってる自分のせいで、妻が肩身が狭い思いをしていることに気付いて苦しんだり、ちゃらんぽらんな父と向き合うことで、世間に後ろ指刺されないようにしようとする二路。引きこもる女性やタワーマンションの住人の同調圧力に苦しむ二路の元妻や離婚届の保証人を依頼してきた女性など、法律や世間の価値観に苦しむ依頼人が、コタキ兄弟によって世間の呪いから解き放たれる展開は、観る人が縛られている世間の価値観や同調圧力から解きほぐされるようで、週末の疲れを癒される以上に心が広がって癒される人間讃歌のヒューマンドラマでした。
樋口可奈子の回や市川実日子の回や門脇麦の回やタワーマンションの回や入れ替わりの回や終盤の3話は、まさにスルメ回。